サイバー攻撃の米石油パイプライン、5日ぶり操業再開

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サイバー攻撃を受けて操業停止となっていたアメリカ国内最大の石油パイプラインが12日夜、5日ぶりに操業を再開した。
コロニアル・パイプラインは7日、ランサムウェア(身代金ウイルス)によるサイバー攻撃に遭い、ネットワークの主要部分が操業停止に追い込まれた。
全長約8900キロの同パイプラインは、1日250万バレルの燃料をメキシコ湾岸のテキサス州から北東部のニューヨーク湾まで運ぶ。
操業停止の影響で米国中の燃料供給がひっ迫して価格が上昇。多くの州が緊急事態を宣言した。
コロニアル・パイプラインはプレスリリースで、輸送サプライチェーンが正常に戻るまでに数日かかるとしている。
「コロニアル・パイプラインがサービスを提供している一部市場では、操業再開に伴い、断続的なサービスの中断が起こる可能性がある」
米連邦捜査局(FBI)は10日、サイバー犯罪集団「ダークサイド」がランサムウェアを使った攻撃に関与していたと明らかにした。
パイプライン側は、ハッカーから要求された身代金は支払わないとしている。
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ガソリン価格が上昇
コロニアル・パイプラインの操業停止から5日目の12日、給油所には車の長い列ができ、アメリカのガソリン価格は上昇した。
アメリカ自動車協会(AAA)によると、1ガロンあたりの平均価格は3.008ドル(約330円)と、2014年10月以来の高水準となった。
広報担当者は、パイプラインの操業停止と「需要の変動」が価格上昇につながったと説明した。
フロリダ州、バージニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州の各知事は緊急事態を宣言しており、それぞれの地域で価格上昇を緩和する一時的な規則を導入できる。

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燃料価格調査会社「ガスバディ」のデータによると、ヴァージニア州やノースカロライナ州など複数の州で12日、少なくとも3500のガソリンスタンドで在庫が無くなったという。
最も打撃が大きかったのはヴァージニア州とジョージア州で、ガスバディが監視しているガソリンスタンドの40%以上が供給停止の影響を受けた。ノースカロライナ州では65%のガソリンスタンドで燃料供給がストップした。
米エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は今週初め、コロニアル・パイプラインは12日にも操業再開の決定を下せるとしつつ、再開から数日間はフル稼働はできない可能性があると警告していた。
政府はパニック買いをしないよう呼びかけているが、多くのドライバーが給油しようと行列をつくった。

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ソーシャルメディアではハッシュタグ「ガソリン不足2021」(#GasShortage2021)がトレンド入りし、新型コロナウイルス危機の初期に見られた「トイレットペーパー不足を思い出した」と冗談を言う人もいた。
レジ袋にガソリンを入れているように見える人の写真を投稿する人もいた。
ピート・ブダジェッジ運輸長官は11日、燃料不足に対処するため、ジョー・バイデン政権が「24時間態勢で対応している」と説明した。
「今は分別のある、安全な行動を取るべき時だ。我々は当然、一時的に供給が滞っている地域の人々の懸念を理解している」
「しかし、買い占めでは状況は改善しないし、いかなる状況においても、ガソリンを直接車に、あるいは推奨されている容器以外に注入してはならない。どんなことが起きていても、そんなことはしてはいけない」
ホワイトハウスはまた、燃料の路上輸送の時間制限を緩和するなど、燃料不足解消のための新たな方法を検討中だとしている。








