米グーグルのドメインを600円で購入 アルゼンチン
ジェイムズ・クレイトン、北米テクノロジー記者

アルゼンチンでの米グーグルのドメイン「Google.com.ar」が先週、有効期限切れで約2時間使えなくなり、その間に270ペソ(約600円)で他人の手に渡る出来事があった。
グーグルのドメインを購入したのはウェブデザイナーのニコラス・クロナ氏(30)。通常の合法なプロセスで「Google.com.ar」を購入できたという。
「まさか購入できるとは想像もしていなかった」と、クロナ氏はBBCに述べた。
グーグル・アルゼンチンはBBCに対し、「当該ドメインが短時間、他人に取得された」が、すぐにドメインの管理を取り戻したと説明した。
ドメインが購入できる状態に
クロナ氏は21日、ブエノスアイレス郊外でクライアントのウェブサイトをデザインしていた。すると、メッセージアプリ「ワッツアップ」にグーグルがダウンしたとのメッセージが届いた。
「『www.google.com.ar』と入力しても動かなかった」ため、「何かおかしなことが起きていると思った」と、クロナ氏は述べた。
アルゼンチンに割り当てられた国別コードドメイン「.ar」を管理するNetwork Information Center Argentina(NIC)にアクセスし、グーグルを検索したところ、アルゼンチンのグーグルドメインが購入できる状態だったという。

まさか買えないだろうと思いつつ、「手順通りにやってみたら請求書がメールで送られてきた」。
クロナ氏がBBCに公開したNICの請求書には、グーグル・アルゼンチンのドメインを270ペソで取得したとある。
驚いて「固まってしまった」
びっくりして「www.google.com.ar」を検索バーに入力してエンターキーを押してみると、「自分の個人情報が表示された」と、クロナ氏は述べた。
「画面を見ながら固まってしまった。起こったことが信じられなかった」
クロナ氏がグーグル・アルゼンチンのドメイン名を購入したのは、現地時間21日午後9時52分だった。何百万ものGoogle検索や、「www.google.com.ar」を利用する人たちが理論的にはクロナ氏のもとにやってくる状態になった。
「悪意があったわけではなく、単に購入しようとしたらNICが許可したということを、明確にしておきたい」

この夜、わずか数分でドメイン購入が大ニュースとなった。
「購入手続きが完了して自分のデータが表示され、何かが起こると思った。(中略)本当に不安だった」
クロナ氏はことの顛末(てんまつ)明らかにするため、何があったのかツイートした。
ドメインの有効期限は
では一体全体、何が起きたのだろうか。
まず、グーグルがドメイン名の更新を単に忘れていた可能性が考えられる。ただグーグルによれば、ドメインのライセンスは今年7月までは失効しないことになっていたという。
アルゼンチンの期限切れドメインや登録済みドメインの追跡を行うOpen Data Córdobaグループも、グーグル側と同じ主張をしている。なぜ当該ドメイン名が公開されたのかはわかっていない。
何が起こったのかはわからないが、これほどまでにメディアに注目されて「少し不思議な気分」だと、クロナ氏は話す。ツイッターでは一部からヒーローとしてもてはやされ、経緯をつづったツイートには約8万件の「いいね」が付いている。
クロナ氏はトラブルに巻き込まれなかったことに安堵(あんど)しているという。
ドメイン名の購入から間もなく、NICはクロナ氏からドメイン名を取り上げたが、支払った270ペソは返金されなかった。
また、グーグルから連絡はなく、金銭の支払いもなかったという。グーグル側はドメイン名を取り戻した方法について明らかにしていない。
同社は何があったのか調査を進めている。









