イギリスのすべての50歳以上に1回目のワクチン提供

A woman is vaccinated in Streatham, south London

画像提供, PA Media

英政府は12日、新型ウイルスのワクチン接種について、国内のすべての50歳以上および高リスクと判断された人に1回目のワクチンを提供したと発表した。

政府は優先度の高い9グループの人々への1回目のワクチン提供を、今月15日までに終わらせることを目標にしていた。それを達成したことになる。

9グループは、50歳以上、基礎疾患のある16歳以上、高齢者や障害者の世話を無報酬でしている人、保健およびソーシャルケアのワーカーなど。

ボリス・ジョンソン首相は、「この国のワクチン接種事業にとって、またしても大きな節目を迎えた」と述べた。

7月末までには、すべての成人に1回目の接種を提供する見込みだとしている。イングランドでは次に、40代後半に接種の順番が回ってくる予定。

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イギリスで1回目の接種を受けた人は、3200万人を超えている。

10日には、過去最多の47万5230人が2回目の接種を受けた。これで、ワクチン接種を完了した人は760万人超となった。

北アイルランドではすでに、50歳未満を対象とした接種の予約が始まっている。イギリスのそれ以外の地域でも、同じ年齢層への接種が今後進められる。

Graph showing the number of people vaccinated in the UK
画像説明, イギリスのワクチン接種の1日あたりの件数の推移(今年1月~4月11日、7日間平均)。最近は1回目(Dose 1、こげ茶色)を2回目(Dose 2、茶色)が大きく上回っている(出典:Gov.uk)

7月末までに全成人に

ジョンソン首相はこの日、「これからは、不可欠な2回目の接種を進める。7月末までに全成人にワクチンを提供するという目標に向けて前進する」と述べた。

一方、マット・ハンコック保健相は、「このパンデミックの潮目がイギリス各地で変化している。毎日、人々が続々と、新型ウイルスのワクチンによって安全を手に入れている」と話した。

また、「ワクチンは安全で効果的で、すでに1万人以上の命を救っている」、「ワクチン接種は病院の負担を減らし、種々の規制を少しずつ緩和することに貢献している」と主張。条件を満たす人は接種を受けるよう呼びかけた。

BBCのヒュー・ピム保健編集長は、英アストラゼネカ製ワクチンをめぐって今月生じた供給不足を、米ファイザー製と米モデルナ製のワクチンでどれだけカバーできるのかは不明だと指摘。

7月末までに全成人に1回目の接種機会を提供できるかは、ワクチンの供給量次第だと説明した。

各地で制限を緩和

イギリスでは12日、ロックダウンの規制がさらに緩和された。イングランドでは、屋外パブや生活必需ではない商業施設、美容院などが再開された。

国民保健サービス(NHS)基金を代表するNHSプロヴァイダーズのクリス・ホプソン会長は、「人々が屋外パブやスポーツ活動、生活必需ではない商業施設に戻るなか、感染拡大を防ぎ、現在のロックダウンを最後にするため、私たちはできることをすべてしなくてはならない」と話した。

北アイルランドの「ステイホーム」命令も12日に解除された。ウェールズでは、生活必需ではない商業施設や、近距離でサービスを提供する業者の再開が認められた。

一方、スコットランドでは、生活必需ではない商業施設やサービス提供は今月26日まで閉鎖が続けられる。

モデルナ製ワクチンも使用

先週には、米モデルナ製のワクチンの接種がイギリスで始まった。米ファイザー/独ビオンテック製、英オックスフォード大学/アストラゼネカ製に続いて3種目。ウェールズ、スコットランド、イングランドの順番で、接種が進められる。

イギリスでは30歳未満は全員、アストラゼネカ製以外のワクチンを接種することになっている。アストラゼネカ製ワクチンと、まれに発生する血栓に関連があるとの証拠が示されたため。

12日には、新型ウイルスの新規感染者は3568人確認された。陽性判定から28日以内の死者は13人だった。