インドの感染拡大、過去最悪の勢い 新型ウイルス

A woman being tested for coronavirus in India.

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画像説明, 感染者急増の抑制には大規模なウイルス検査が果的だと専門家は指摘している

インドで新型コロナウイルスの感染者が、これまでにないペースで急増している。先週だけで新規感染者は約26万人に上っている。

当局によると、先週(15~21日)の感染者数は、その前の週と比べ10万人増えた。国内感染の7割近くが、西部マハラシュトラ州で確認されている。

専門家は、感染対策の不徹底が感染者数を押し上げていると指摘している。急増の背景に変異株があるとの見方もあるが、証明はされていない。

インドではこれまでに累計1100万人以上が新型ウイルスに感染し、約16万人が亡くなっている。

年明けには減っていたが

インドの1日あたりの感染者数は、ピークの昨年9月には9万人を超えていた。ただ、今年に入ってすぐのころには、2万人以下にまで減っていた。

ところがここ数週間、また急激な感染者数の上昇が起きている。マハラシュトラ州が多いが、ケララ、パンジャブ、カルナタカ、グジャラート、タミルナドゥ、ハリアナ、マディヤプラデシュの各州でも増加が確認されている。

マハラシュトラ州の州都ムンバイの当局は、ショッピングセンターや鉄道駅など混雑する場所で、不規則に簡易検査を実施するとしている。

India's daily caseload is increasing
画像説明, インドの1日あたりの感染者数の推移(棒グラフ、3月8~21日)。緑色の線は7日間移動平均(出典:インド保健家族福祉省、22日現在)
Presentational white space

新型ウイルスの感染患者を数多く診療してきた救急医療の著名専門家は、現在の急増は驚きではないと指摘。感染者数が減った今年初めに、「誤った楽観論」が国内を席巻したと述べた。

「人々はインドが集団免疫を獲得したと思ったが、そうではない」

この専門家はまた、ワクチン接種が始まったことで、そうした感覚が広がったと説明。人々は「ワクチンの到来と通常の生活への回帰を同一視した」と話した。

「現状は通常とは程遠い。実際には、今は警戒すべき状況だ。ワクチン接種を大幅に促進しなくてはならず、検査、追跡、隔離の取り組みも全国で強化する必要がある」

ワクチン接種はまだ4%

インドでこれまでに1回以上ワクチン接種を受けた人は4000万人を超えている。ただこれは、人口の4%に満たない。

政府は7月末までに、約2億5000万人の「優先者」への接種を実施したい考えだ。

このところ1日で300万人以上が接種を受けるなど、接種ペースは上がっている。しかし専門家らは、さらに増えなければ目標は達成できないと警告している。