バイデン氏、移民政策転換の大統領令に署名 親子を再会へ

画像提供, Reuters
アメリカのジョー・バイデン大統領は2日、ドナルド・トランプ前政権の移民政策によって引き離された移民の家族を再会させることなどを目指し、3件の大統領令に署名した。あわせて、前政権時代の移民政策を全般的に見直すよう指示した。
トランプ前大統領は不法移民の流入を食い止めようと、必要書類を持たずにメキシコとの国境を越えてアメリカに入った家族に対し、親子を引き離す措置を取った。2017~2018年に親と離れ離れになった子どもは5500人以上に上る。
この日のバイデン氏の大統領令は、家族と離別した推定600~700人の子どもを親などと再会させるため、担当チームを新設することなどが盛り込まれている。
親子を引き離す措置は、バイデン氏が副大統領を務めたバラク・オバマ政権でも実施された。ただトランプ政権に比べ、件数はずっと少なかったと活動家らは指摘している。
トランプ政権の移民政策を転換へ
バイデン氏がこの日署名した2件目と3件目の大統領令は、亡命者の受け入れを減らし、移民の入国手続きを遅らせ、外国への資金供与を中止した、トランプ氏の移民政策を見直すよう命じるものだった。
バイデン氏はホワイトハウスで、「前政権による倫理的、国家的に恥じるべき行為を、私たちは正そうとしている。前政権は国境で、子どもを家族や父母の腕の中から文字通り引き離し、再会についてはまったく何の計画もなかった」と述べた。
これまでバイデン氏は、推定1100万人のすべての不法移民に法的地位を与え、市民権取得への道を開く法整備を提案している。
一方でアナリストらは、バイデン氏が中南米からの不法移民の急増を防ぐため、トランプ政権の強硬な不法移民対策からの転換を避けていると指摘している。
ジェン・サキ大統領報道官は2日の記者会見で、バイデン政権は「倫理的」、「人道的」な移民制度の整備に注力すると話した。同時に、それが実現するまでは、「アメリカに来るべき時ではない」と述べた。


引き離された家族
アメリカは、トランプ政権時代の2018年4月に採択された「ゼロ寛容」移民政策の下、不法にメキシコ国境を越えて入国した成人を刑事訴追し、収監してきた。
そうしたケースは、以前は民事的な違反事案として扱われていた。
起訴された移民の子どもは、犯罪には問われないため、親と一緒に刑務所に入ることが認められなかった。子どもらは収容施設に入れられるか、里親制度に組み込まれた。
密集状態の拘束施設の床に敷かれたマットの上で子どもたちが寝ている写真や動画は、米国内で大きな怒りを呼んだ。トランプ氏は2018年6月、厳格な措置を一時停止した。
バイデン政権下の司法省は先週、前政権の移民政策を正式に廃止した。
オバマ政権時代の施設
ただ、一部の子どもたちが収容されている、鉄線のフェンスで囲われた施設は、オバマ政権時代に作られたものだ。2014年には、夏期だけで約6万人の未成年が、こうした施設で拘束された。
オバマ政権の関係者は、親子の引き離しは当時、人身売買が疑われるケースなどに限られ、まれだったと話す。ただ、正確な人数は不明だ。
オバマ政権で移民問題の首席補佐官を務めたセシリア・ムニョス氏は2011年、移民をめぐる「欠陥制度」の不可避的な結果だとして、親子の引き離し措置を擁護した。同氏はバイデン氏の政権移行チームに参加した。










