BBC、ダイアナ元妃取材を独立調査へ 王室は「ひとまず歓迎」

Prince William with Princess Diana and Prince Harry

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画像説明, (左から)ウィリアム王子、故ダイアナ妃、ハリー王子

イギリスの公共放送BBCは18日、1995年に故ダイアナ元妃に行った取材について、新たに独立調査を行うと発表した。これについてイギリス王室のケンブリッジ公爵ウィリアム王子が声明を発表し、「正しい方向に進んでいる」と述べた。

BBCのマーティン・バシール記者は1995年、当時担当していた報道番組「パノラマ」でダイアナ元妃にインタビューを行った。しかしダイアナ元妃の弟のエドワード・スペンサー伯爵は、バシール記者が偽造した銀行の明細書を使って取材を承諾させた疑いがあると主張している。

ダイアナ元妃の息子のウィリアム王子は声明で、「ひとまずは調査を歓迎する」、「独立調査は正しい方向への一歩だ」と述べた。

「この調査はパノラマの取材と、その後に当時のBBCが行った決定につながる言動について、その裏にある真実を明らかにする助けになるだろう」

BBCはこの日、元最高裁判事のジョン・ダイソン卿が調査を主導すると発表した。

BBCのティム・デイヴィー会長は、「一連の出来事について真実を明らかにする決意があり、そのために独立調査を依頼した」と説明している。

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1995年にパノラマが放映したダイアナ元妃のインタビューは、2300万人近くが視聴した。

このインタビューの中でダイアナ元妃は「この結婚には3人の人間が関わっている」と述べ、チャールズ皇太子とカミラ・パーカー=ボウルズ氏(現コーンウォール公爵夫人)の関係を示唆したことで話題となった。

この当時、ダイアナ元妃はチャールズ皇太子と別居していたが、離婚はしていなかった。

「すさまじい不誠実」

スペンサー伯爵は11月初め、BBCがダイアナ元妃を取材するために「すさまじい不誠実」を働いたとして、独立調査の必要性を訴えていた。

英大衆紙デイリー・メールによると、スペンサー伯爵はデイヴィー会長への書簡の中で、バシール記者が偽造の銀行明細書を使ってダイアナ元妃への取材を取り付けたと説明。この明細書は、王室職員2人がダイアナ元妃の情報をセキュリティー・サービスに提供し、対価を受け取っていたことを示す内容だったという。

スペンサー伯爵は書簡に、「もしこの明細書を見せられていなかったら、私はバシールに姉を紹介しなかっただろう」とつづっている。

伯爵はさらにデイリー・メールとの別のインタビューで、バシール記者は伯爵の信頼を得てダイアナ元妃を紹介してもらうため、王室メンバーについて数々のうその中傷を述べていたと語っている。

その内容は、「ダイアナ元妃の個人的な手紙が開封されている」、「車は追跡され電話も盗聴されている」といったものだが、デイリー・メールは「突拍子もないうそ」だと報じている。

バシール記者は現在、BBCニュースの宗教担当編集長を務めている。バシール記者は心臓手術と新型コロナウイルスの合併症から回復中で、スペンサー伯爵の疑惑にはコメントできないとしている。

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何が調査される?

Martin Bashir pictured in November 2019

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画像説明, マーティン・バシール記者

1. BBCとバシール記者が1995年の取材を行うために取った行動はどのようなものだったか。これには偽造された銀行明細書、王室職員への支払い疑惑など、スペンサー伯爵が訴えている問題が含まれる

2. これらの行動が適切だったかどうか。特に、当時のBBCの編集方針に照らして調査される

3. BBCとバシール記者の取った行動が、ダイアナ元妃の取材承諾の判断にどれだけ影響力を持っていたか

4. 1995~1996年当時、偽造された銀行明細書などの証拠について、BBCがどれだけ事態を把握していたか

5. ダイアナ元妃の取材が実現した状況について、BBCはどれだけ効果的な調査を行ったか

これらの要件はダイソン卿が提示し、BBC合意たもの

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BBCは、調査は直ちに始め、「関連する記録を全て」提供すると説明している。

BBCは先週、ダイアナ元妃がパノラマの取材に満足していると記したメモ書きが発見されたと発表。このメモ書きは以前、紛失されていたが、これも調査委員会に手渡されるという。

調査を主導するダイソン卿は、2016年に退官するまでの4年間、イングランドとウェールズの司法官で2番目に高位の記録長官(Mater of the Rolls)を務めていた。

このほか最高裁判事や、イングランド・ウェールズ控訴院の首席判事なども歴任している。

Lord Dyson
画像説明, 調査を主導するジョン・ダイソン卿