ブラジル当局、中国製ワクチンの治験再開を許可 「十分な情報得た」

A nurse holds China's Sinovac vaccine at the Sao Lucas Hospital of the Pontifical Catholic University of Rio Grande do Sul (PUCRS), in Porto Alegre, Brazil August 8, 2020.

画像提供, Reuters

画像説明, ブラジルの衛生当局は治験を再開を認めるのに必要な情報を得たとしている

ブラジルの国家衛生監督庁(ANVISA)は11日、中国製の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)を再開すると発表した。

ANVISAは9日、被験者の1人に「重篤な有害事象」が見られたとして、治験を停止した。ボランティアの被験者が死亡したと報じられている。

治験を進めている研究所のトップは、被験者の死亡と開発中のワクチンには因果関係がないとしている。

ANVISAは11日、「ワクチン治験の再開を認めるのに十分な情報」を得たと声明を発表。

「(治験の)一時停止は、調査中の製品が品質、安全、効果の面で不十分だということを必ずしも意味しないことを明確にしておく」とした。

「安全性に自信ある」

ジャイル・ボルソナロ大統領は、治験の停止を「勝利」だと宣言していた。

ボルソナロ氏は以前から、今回のワクチンについて、中国と関連があるとして批判。ブラジルは購入しないと述べてきた。治験の支持を公言してきたサンパウロ州のジョアン・ドリア知事とは、政治的な対立状態になっている。

ボルソナロ氏は治験再開について、まだコメントしていない。

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中国の科興控股生物技術(シノヴァク・バイオテック)が開発しているこのワクチンは、世界の国々で治験の最終段階に入っているワクチン候補のひとつ。同社は、「ワクチンの安全性に自信をもっている」としている。

ブラジルは、新型ウイルスの深刻な影響を受けている。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、累計感染者は570万人を超え、アメリカ、インドに次いで世界で3番目に多い。死者は16万3000人を超えている。

治験はなぜ停止された

ANVISAは9日、「重篤な有害事象」を理由に治験停止を命じたと発表したが、どこで何が起きたのかは明らかにしなかった。

ワクチンの治験を行っているブタンタン研究所のディマス・コヴァス所長は地元メディアに対し、治験の一時停止は被験者の死亡と関係があるが、死因とワクチンに因果関係はないと主張した。

また、このワクチンによる有害事象はこれまで全くないとし、治験停止の決定に「憤然と」していると述べていた。

サンパウロ州の保健当局トップは記者会見で、被験者の死亡はワクチンとは無関係の「外部の事象」だとし、コヴァス氏の主張を支持した。

メディア報道によると、警察は被験者の死亡について、自殺とみて捜査しているという。

治験中断は他にも

治験が中断されることは珍しくない。9月には英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発中のワクチンで有害事象が発生し、臨床試験が一時中断となった。数日後には当局が、安全に継続できると判断した。

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このワクチンをめぐっては、ブラジルでの治験でボランティアが1人死亡しているが、検証の結果、安全性の問題点は見つからなかった。BBCは、このボランティアはワクチンを接種されていなかったとみている。

ボルソナロ大統領は、アストラゼネカ製のワクチンを好んでいると公の場で発言する一方、中国製のワクチンは購入しないと述べている。

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