イラン、ウラン濃縮施設火災で「大きな被害」 サイバー攻撃説も

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イラン原子力当局の報道官は5日、中部ナタンズの主要な核施設で2日に発生した火災により「大きな被害」を被ったと明らかにした。
イラン原子力機構(AEOI)のベフルーズ・カマルバンディ報道官は、ナタンズのウラン濃縮施設での火災原因は特定されているとしたが、「安全保障上の理由から」詳細は明かさなかった。
火災によって「大きな被害を被ったが、負傷者はいなかった」とした。
また、「中期的には高性能な遠心分離機の開発と生産が遅れる可能性がある。(中略)損傷した施設は、もっと高度な設備を備えた、より大きな施設に置き換えることになる」と付け加えた。
火災は遠心分離機の組立工場で起きた。
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遠心分離機は、原子炉燃料だけでなく核兵器にも使用できる濃縮ウランの製造に必要なもの。
イランの原子力や軍事関連の施設では過去1週間、複数の火災や爆発に見舞われている。
2日に何があったのか
カマルバンディ報道官は当時、火災はナタンズにある建設中の工業用の小屋の1つで発生したと述べた。
AEOIはその後、一部が燃えた建物の写真を公表。アメリカを拠点に活動するアナリストたちは、この建物は新しい遠心分離機の組み立て工場だと特定した。
ロイター通信は、匿名のイラン当局者たちが火災はサイバー攻撃によるものだと考えていると述べたが、証拠は示さなかったと報じた。
イランが2015年に国際社会と結んだ核合意を順守しているかを監視する国際原子力機関(IAEA)は、IAEAの検証活動への影響はないと予想していると述べた。


相次ぐ爆発や火災
ナタンズでの火災の6日前には、首都テヘラン近郊パルチンの軍事施設近くで爆発が起きた。
イラン当局は、パルチンでの爆発は「貯蔵タンクからのガス漏れ」が原因だったと説明した。しかしアナリストたちは、爆発は近くのミサイル製造施設で起きていたことが、複数の衛星画像で確認できると指摘した。
パルチンは、10年以上前にイランが核弾頭爆発に関連した実験を行っていたと西側諸国が見ている場所だ。
イラン側は核計画は平和的なもので、核兵器を開発しようとしたことはないと主張している。
5日には、南西部アフヴァーズの発電所で火災があったと当局が明らかにした。火は消し止められ、電気は復旧したという。
なぜナタンズは重要なのか
首都テヘランから南約250キロにあるナタンズには、同国最大のウラン濃縮施設がある。
イランは2015年、原子力発電所の燃料に使用できる、ウラン235の濃度が3~4%の低濃縮ウランのみを製造することで合意した。核兵器には濃縮度90%以上のウランが使われる。

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また2026年までにナタンズの施設で稼動させる効率の悪い最も古い型の遠心分離機は最大で5060機とし、2031年まではフォルドの地下施設でウラン濃縮を行わないことでも合意した。
ドナルド・トランプ米大統領が核合意から離脱し、経済制裁を復活させると決定したことを受け、イランは昨年、こうした取り組みを撤回し始めた。
昨年11月には、ナタンズで稼動する高性能な遠心分離機の数を2倍に増やし、フォルドの遠心分離機への六フッ化ウランの注入を開始したと発表した。
今年1月には今後は核合意を順守せず、核濃縮を継続すると宣言した。









