金正恩氏、新型ウイルス対策で「輝かしい成功」を強調

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は2日、党政治局拡大会議に出席し、同国は新型コロナウイルスによる感染症COVID-19への対応で「輝かしい成功」を収めたと称賛した。同国国営の朝鮮中央通信(KCNA)が3日に伝えた。
金委員長は、「6カ月間にわたる国家的な非常防疫活動の実態について具体的に分析」したという。その上で委員長は、自分たちの国は「悪性ウイルスの境内侵入を徹底的に防ぎ、安定した防疫形勢を維持」してきたと述べた。
また、この成功は「党中央委員会の先見の明ある指導力によって」成し遂げられたとした。
一方で、近隣諸国で新型ウイルスが再拡大していることから、「油断することなく最大に覚醒・警戒」を維持する重要性を強調した。
KCNAは、金委員長が「防疫措置の早すぎる緩和は想像することも、挽回することもできない致命的な危機を招くことになると重ねて警告」したと伝えた。
北朝鮮は新型ウイルスが世界中に拡大した約6カ月前、国境を封鎖して多数の外国人や市民を隔離した。これまでの国内感染者はゼロだと主張しているが、アナリストたちはその可能性は低いとしている。
北朝鮮でマスク義務化
北朝鮮は今年1月下旬、新型ウイルス対策に素早く取り組んだ。国境を封鎖したほか、2月には首都・平壌で外国人数百人を隔離した。
さらに市民数万人を隔離し、学校を閉鎖した。
学校はすでに再開している。しかし、ロイター通信が1日に世界保健機関(WHO)関係者の話として伝えたところによると、集会は禁止されたままで、公共の場でのマスク着用が義務付けられているという。
WHOも、北朝鮮が922人のウイルス検査を実施し、全員が陰性だったと伝えた。
中国と長い国境を有している北朝鮮は、これまで1人も感染者が出ていないと主張している。
しかし、北朝鮮のニュースに特化したウェブサイト、NKニュースのオリヴァー・ホサム氏は今年初め、感染者がゼロというのはおそらく本当ではないとBBCに述べていた。
「中国と韓国と国境を接しているため、感染者が出ていないとは非常に考えにくい。(特に中国との)国境を行き来しての貿易を考えると(中略)感染を防げるとは全く思えない」
「しかし北朝鮮は確かに早期に予防策を講じていたので、全面的なアウトブレイク(大流行)を防げた可能性はあると思う」
感染対策の代償
ローラ・ビッカーBBCソウル特派員によると、国際赤十字社(ICRC)が国境地帯にボランティアを派遣し、予防措置を取っている。北朝鮮で複数の感染者が出ているという未確認情報が報告されているという。
たとえ世界がパンデミックに陥っているとしても、自分は北朝鮮を救ったのだと、金委員長は市民に伝えようとした。ビッカー記者はこう指摘する。
しかしこうした成功には代償が伴った。国境沿いの交通がすべて遮断され、貧困状態にある北朝鮮への物資の供給は不可能になった。外交筋の話では、個人用防護具(PPE)やワクチンを含む医療品の備蓄はあるものの、国境を通過できずにいるという。
平壌のデパートでは輸入品の買占めが相次いでいると報じられた。
今年4月から6月の間に韓国へ入国した脱北者はわずか12人で、過去最低となった。
北朝鮮の住民は新型ウイルスでは苦しんでいないかもしれない。しかし、いまや外界からますます切り離されてしまっていると、ビッカー記者は指摘する。






