ハリー王子とメガン妃、王族の役割から「距離を置く」と発表 経済的に独立

Prince Harry, Duke of Sussex and Meghan, Duchess of Sussex depart Canada House on January 07, 2020 in London, England

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イギリス王室のサセックス公爵ハリー王子とメガン妃は8日、王室の「主要」メンバーとしての役割から距離を置き、経済的にも独立すると発表した。

公式ウェブサイトで発表された声明で公爵夫妻は、今後はイギリスと北米を行き来しながら活動を行うとしている。

BBCの取材によると、この発表はエリザベス女王や皇太子との相談なく行われた。バッキンガム宮殿は、夫妻の決定に「失望している」と声明を発表。王族らはこの発表に「心を痛めている」という。

ハリー王子はエリザベス女王の孫で、チャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の次男。王位継承権で6位に位置する。2018年5月にアメリカ人で元女優のメガン・マークルさんと結婚し、昨年5月に第1子のアーチーちゃんが生まれた

しかし10月、夫妻はメディアから注目され続けることに悩んでいると発言。また、手紙を不当に公開されたとして英タブロイド紙を提訴した。

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突然発表された声明でサセックス公爵夫妻は、今回の決断は「何カ月にもわたって熟考し、内々に話し合った結果」だと説明した。

「私たちは女王陛下を全面的に支援し続ける一方で、王室の『主要』メンバーとしては距離を置き、経済的に独立するために働こうと思っています」

また、今後はイギリスと北米を行き来する生活を考えていると述べた。その上で、「女王やイギリス連邦への責務、そしてパトロンとしての役割を尊重し続けます」としている。

「この地理的なバランスによって、息子を王室の伝統にのっとって育てられると同時に、新たな慈善組織の発足など、次の段階へ進む余裕を私たち家族に与えてくれるでしょう」

「不和は大きい」

BBCのジョニー・ダイモンド王室担当編集委員は、バッキンガム宮殿側が使った「失望」は「とても強い言葉」だと説明した。

「何が起こったのかではなく、どうやってそれが起きたのかについて、王室内が本当に感情的になっている表れだと思う。相談がなかったことも、その原因だろう」

「ハリー王子とメガン妃と、残りの王族との間に大きな不和があることは明らかだ」

バッキンガム宮殿の報道官は、サセックス公爵夫妻の決定をめぐる話し合いは「初期段階」にあると述べ、「2人が異なるアプローチをしたいことは理解しているが、複雑な問題なので、解決には時間がかかるだろう」と話した。

Archie and Prince Harry

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画像説明, サセックス公爵夫妻と息子のアーチーちゃんは、クリスマスをカナダで過ごした

サセックス公爵夫妻はクリスマスから新年にかけ、6週間にわたって公務を休み、アーチーちゃんと共にカナダに滞在していた。

メガン妃はカナダに滞在中、「カナダの美しさ」を楽しみ「素晴らしい時間を過ごした」と話した。メガン妃は結婚前、米テレビドラマ「スーツ」に出演中にカナダのトロントに住んでいたことがある。

「経済的に独立」に疑問の声も

バッキンガム宮殿の元報道官ディッキー・アーバイター氏は、今回の発表はハリー王子が「論理より心を優先した」結果だと指摘した。

特に、アーチーちゃんが生まれた際に受けた「激しい批判報道」が、決定打の一部だっただろうと話した。

また、夫妻が王室と距離を置こうとしている事実を、離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンさんと結婚するため、エドワード8世が1936年に退位したことになぞらえた。

「前例はほかにもあるが、現代では同じようなことは起こったことがない」

Prince Harry and Meghan Markle

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画像説明, ハリー王子とメガン妃は2018年5月に結婚式を挙げた

さらに、王室としての公務を「パートタイム」で行うことや、夫妻が経済的に独立することについて、「ハリー王子は貧しくはないが、2つの大陸で生活し、家族を養い、仕事をする――これらの資金繰りはどうなるのか」と疑問を投げかけた。

「特に、セキュリティー面での資金繰りはどうなるのか。彼らにはなおセキュリティーが必要になるが、一体誰が払うのか? 人員はどこから来るのか? ロンドン警視庁がそれをやるとしても、そのコストをまかなうような献金が行われるのか?」

BBCのダイモンド編集委員も、ハリー王子には故ダイアナ妃からの遺産が、メガン妃には女優時代の報酬があり、夫妻には「ばく大な貯金がある」とした一方、王室から離れて仕事を得ることは難しいと分析した。

「王室の中核にいる人が仕事を得るのは、たとえ本人がもう主要メンバーではないと言っているとしても、問題が付きまとう。彼らは王室というブランドでお金をもらっていると見られるし、利益相反についてあらゆる疑問を投げかけられるだろう」

その上で、新しい王族としてのあり方が通用するのか、あるいは「2人が本当に王室を離れようとしている道半ばなのか」、今後のなりゆきを見守るしかないと述べた。

Britain"s Prince Harry and his wife Meghan, Duchess of Sussex stand with High Commissioner for Canada in the United Kingdom Janice Charette and deputy High Commissioner Sarah Fountain Smith as they leave after their visit to Canada House in London

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画像説明, 夫妻はカナダから帰国後、在英カナダ高等弁務官を訪問し、感謝を伝えた

チャールズ皇太子の公邸クラレンス・ハウスによると、チャールズ皇太子はコーンウォール公領の収入からハリー王子とメガン妃、長男のケンブリッジ公爵ウィリアム王子とキャサリン妃の公費、そして4人の私費の一部を支払っている。昨年のコーンウォール公領の収入は2160万ポンド(約30億円)だった。

メガン妃が王室に加わった昨年の支出合計は500万ポンド強と、前年から1.8%増えている。

王室に関する著書のある作家ペニー・ジュノーさんは、「2人の決定がどのように実現していくのか全く分からない。ちゃんと考えられていないように思える」と話した。

一方で、「大変なことだが、同時に悲しくもある。2人は愛されていないと感じているのかもしれない。実際にはとても愛されているのに」と述べた。

メディアとの確執

昨年、英民放ITVで放送されたドキュメンタリーでメガン妃は、新聞の過熱報道によって子育てに「苦労している」と語った。

一方この番組でハリー王子は、仲たがいが噂されてきた兄のウィリアム王子との関係について、「今は別々の道を歩いている」と述べた

動画説明, ハリー英王子、兄との関係について「今は別々の道を」

10月にはメガン妃が、個人的な手紙を不法に掲載したとして、英タブロイド紙「メイル・オン・サンデー」を提訴。ハリー王子も、英タブロイド紙「サン」と「デイリー・ミラー」のオーナーを相手取り、電話が盗聴された疑いにからんで裁判を起こした。

ハリー王子はこの時に発表した声明で、「私はかつて母を亡くし、今は妻が、同じ強力な勢力の犠牲者になるのを見ている」と批判した。

サセックス公爵夫妻は2018年、ケンブリッジ公爵夫妻の住むケンジントン宮殿を離れ、ウィンザーにある王室所有地フロッグモア・ハウスに移転。昨年夏には、ケンブリッジ公爵夫妻と共同で保有していた慈善団体から離脱し、独自の慈善プロジェクトを立ち上げている。

イギリス王室の系図
画像説明, イギリス王室の系図