スペイン総選挙、極右が躍進 与党は過半数届かず

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スペインで10日、総選挙(下院定数350)の投開票があり、ペドロ・サンチェス首相率いる中道左派の与党社会労働党が第1党を守った。
しかし、獲得した議席数は120にとどまり、過半数には届かなかった。一方、極右政党ボックスが大幅に議席を増やした。
同国の総選挙はこの4年間で4回目。今年4月の総選挙では、社会労働党が第1党となったが過半数を確保できず、9月の期限までの連立政権樹立に失敗。今回のやり直し選挙となった。
投票率は午後6時時点で56.8%。前回総選挙より4ポイントほど下がった。
極右政党が2倍以上に
開票の結果、中道右派の国民党が88議席を獲得し、第2党になった。解散前の66議席から積み増した。
第3党には52議席を取ったボックスが躍進。解散前の24議席から倍増以上の伸びをみせた。
中道右派で解散前は57議席だった市民党は、10議席しか取れず惨敗した。
「全政党と連絡取る」
結果を受けてサンチェス首相は、「安定政権をつくり、多数のスペイン人の利益となる政治をする」ことが優先事項だと述べた。
さらに、「すべての政党に連絡を取りたい。スペインの政治状況を打開するためには、彼らも寛容と責任をもって行動する必要があるからだ」と話した。
新党が次々と誕生
全体的に右派の政党に多くの票が集まった。しかし、それらの政党の獲得議席を合計しても議席数では過半数には達しない。
スペインは2015年以降、安定した政権が生まれていない。近年は新党が次々と誕生し、多くの政党が乱立する状態になっている。
今回の総選挙でも、左右両派とも過半数獲得には議席が大きく足りていない。
困難な連立政権の樹立
今回の結果は、社会労働党と国民党のいずれも、少数政党との連携なしには政権を樹立できないことを示している。
今後、連立政権を誕生させるには、より小さなナショナリスト的な政党とも協力する必要があるとの指摘も出ている。
国民党の議員からは、サンチェス首相の退任を求める声も上がっている。
スペインにも極右の波
この総選挙でもっとも注目されるのは、ボックスの躍進だ。
スペインは、フランシスコ・フランコ軍事独裁政権の記憶がまだ新しい。そのため、過去10年間に欧州で拡大してきた極右ポピュリズムの波とは無縁とみられてきた。
しかし今回の選挙で、ボックスがスペイン政界における一大勢力となった。
フランスの極右「国民連合(RN)」を率いるマリーヌ・ル・ペン氏はツイッターで、ボックスの「驚異的な前進」を称賛。イタリアのポピュリスト政党「同盟」のマッテオ・サルヴィーニ氏もボックスの躍進を喜び、こうツイートした。
「人種差別やファシズムなどではなく、イタリアでもスペイン同様、私たちはただ自分たちの国で平和に暮らしたいだけだ」










