米大統領選・民主党討論、バイデン氏に攻撃集中も善戦

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米ミシガン州デトロイトで31日、2020年大統領選に向けた野党・民主党の候補者によるテレビ討論会が行われた。この日はジョー・バイデン前副大統領や、唯一の黒人女性候補者カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)など10人が登壇。本命視されているバイデン氏に対し、医療保険や国境問題について、他候補が厳しく追求する場面もあった。
6月の1回目の討論会に続き、バイデン氏とハリス氏がまた火花を散らすのではないかと注目が集まった。実際、大会の初めに参加者が紹介される場面では、バイデン氏がハリス氏に「きみ、お手柔らかにね(Go easy on me, kid)」と話しかけていた。
ハリス氏は、バイデン氏がかつて人種差別的な上院議員たちと協力関係にあったことを批判した。
一方で今回はハリス氏も、地方検事として麻薬事件の扱いが過剰に厳しかったのではないかという批判に、反論しなくてはならなかった。
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バイデン氏は前回の討論大会で、準備不足だと批判されていたが、今回は攻撃に対して答えを用意してきているようだった。
討論は前日同様、民主社会主義者のバーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州)などが提唱する、国民全員を対象とする無料の健康保険制度「Medicare for All」の導入が「政治的自殺」になるかという質問で始まった。
バイデン氏はこれについて、バラク・オバマ前大統領の政権下で2010年に成立した医療保険制度改革法、通称オバマケアの拡大運用が、この問題の早期解決につながると訴えた。
一方のハリス氏は、自分の「Medicare for All」案なら誰でも施行直後から加入できるものの、バイデン案では「1000万人のアメリカ人が排除される」と批判した。
これに対しバイデン氏は、ハリス氏の提案はコストも時間もかかりすぎるし、中流層の増税につながる可能性があると指摘。「その間はどうなる?」と問い返した。
ハリス氏はこれに、「何もしないコストの方が高すぎる」と返した。
移民政策や刑法改革でも衝突
移民政策をめぐっては、メキシコから国境を越える行為を違法とするかどうかで、バイデン氏がフリアン・カストロ前サンアントニオ市長にかみついた。
バイデン氏は、オバマ政権の住宅都市開発長官だったカストロ氏に対し、なぜこの問題をオバマ政権中に取り上げなかったのかと批判した。また、南側国境での不法入国を犯罪と認めないのは、世界のほかの場所からアメリカ入国を希望しながら順番待ちをしている人たちに不公平になると指摘した。
「もし不法に国境を渡ろうとするなら、亡命を求めていない限りそれは違法だ。みんな順番を待たなくてはいけない」
一方で刑法改革については、コーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州)がバイデン氏を追及した。
「1970年代から、あらゆる刑法修正にバイデン氏の名前が載っている」と述べ、「あなたはこれらの法律に責任があると公言しているのに、今になって火消しのような案を出すことはできない」と指摘した。
これに対しバイデン氏は、ブッカー氏のニューアーク市長時代の行いや、警察の汚職をめぐる問題で反ばくした。
刑法についてはタルシ・ギャバード下院議員(ハワイ州)が、ハリス氏の検事時代の行動を批判。
「ハリス氏は大麻法に違反したとして1500人以上を刑務所に送ったが、自分が大麻を吸ったことがあるかと聞かれた際、そのことを笑い飛ばしていた」と指摘し、謝罪するべきだと述べた。
これについてハリス氏は、自分は死刑反対運動などを行ってきたと反論し、「これは討論大会のステージ上だけの意見ではない」とけん制した。
今回の討論にはこのほか、キルステン・ジリブランド上院議員(ニューヨーク州)、マイケル・ベネット上院議員(コロラド州)、ジェイ・インスリー・ワシントン州知事、ビル・デブラジオ・ニューヨーク市長、起業家アンドリュー・ヤン氏が参加した。
バイデン氏に次ぐ主要候補とされているエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)やサンダース氏は、前日の討論大会に出席した。
今後の予定は?
次の討論大会は9月に予定されているが、支持率や政治資金の多さから選ばれた10人だけが参加できる。
民主党は来年7月に大統領選の候補者を決定する。
一方でトランプ大統領は、第2四半期に再選に向けた活動と共和党全国委員会で合わせて1億50万ドルの資金を集めた。
米メディアによると、この額はバラク・オバマ前大統領が2011年の同時期に集めた額よりも多いという。また、民主党のどの候補者よりも多い。
第2四半期に最も資金を集めたのは、インディアナ州サウスベンド市のピート・ブダジェッジ市長で2480万ドル。これにバイデン氏(2100万ドル)が続いている。









