「歴史見よ」 「集団虐殺のたわ言」 イラン外相、米大統領に反発

File photo of Iranian Foreign Minister Mohammad Javad Zarif (24 April 2019)

画像提供, Reuters

画像説明, 「イランを脅すな」とトランプ米大統領に反論したザリフ・イラン外相

イランのモハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相は20日、「イランは正式に終わりだ」とツイートしたアメリカのドナルド・トランプ大統領に対し、「集団虐殺のたわ言」だと非難し、イランを脅さないよう警告した。

両国は核合意をめぐって対立が悪化している。トランプ氏は19日、「もしイランが戦いたいなら、それでイランは正式に終わりだ。二度と合衆国を脅すな!」とツイッターで書いた。

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これに対しザリフ氏はツイッターで、トランプ氏は歴史を振り返ったほうがいいと提案。「イランは2000年間、侵略国が去った後もしっかり立ち続けてきた。敬意を表してみてはどうか。効果はある!」と書いた。

「Bチーム」に駆り立てられている

さらに、トランプ氏について、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子による「Bチーム」によって「駆り立てられている」と指摘した。

その上で、トランプ氏は「アレキサンダー(大王)やチンギス(ハーン)、他の侵略者たちが失敗したことを成功させたいと思っている」と分析。「経済テロや大量虐殺のたわ言で、イランを終わらせることはできない」、「二度とイランを脅すな」と述べた。

低濃縮ウラン製造を4倍に

イラン国営メディアは20日、低濃縮ウランの製造を4倍に増やしたと報じた。2015年の核合意では、低濃縮ウランは最大300キロまで保有できるとされている。

イラン原子力エネルギー庁の報道官は、同国の保有量は「遠くない将来に300キロを超える」との見通しを示した。

そして、「上限を守ってほしいなら、欧州各国は速やかに、履行のための措置を取るべきだ」と述べた。

緊張の背景は

今回の関係悪化は、イランが2015年に締結した核合意について履行の一部を停止したと8日に表明し、原子炉や核兵器に使われる高濃縮ウランの国内生産を再開する方針を示したことが発端となっている。アメリカが1年前に核合意から離脱したことへの対抗措置とみられる。

これに対し、トランプ氏は同日、イランとの鉄鋼の取引も経済制裁の対象とする大統領令に署名した。

イランはすでに、湾岸洋上の艦船にミサイルを配備しているとされる。サウジアラビアの石油タンカー4隻が12日にアラブ首長国連邦(UAE)沖で攻撃された事件について、米当局はイランによるものだと考えている。イランは関与を否定している。

米政府は湾岸地域に空母エイブラハム・リンカーンを派遣し、兵士12万人の中東増派を検討しているとされる。

国務省は15日、イランの隣国イラクに駐在する大使館と領事館の職員のうち、「緊急性の低い」業務の担当者の国外退避を指示した。

Handout photo from US Navy shows fighter jets on the deck of the USS Abraham Lincoln in the Arabian Sea on 19 May 2019

画像提供, EPA

画像説明, 湾岸地域に派遣された米空母エイブラハム・リンカーン
Presentational white space

他の国々の反応は?

イギリスのジェレミー・ハント外相は20日、ジュネーヴで記者団に、「イランの人々に言う。アメリカの決意を過小評価してはならない」と語った。

さらに、「アメリカはイランとの戦争を望んでいない。しかし、アメリカの国益が攻撃されれば報復するだろう」、「緊張が和らいでほしい。偶発的な出来事が引き金となり得るからだ」と述べた。

一方、サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相は、「戦争は起きてほしくないし、求めてもいない。回避のためできる限りのことをする」と述べた。

また、「ただ同時に、他方が戦争を選ぶなら、我々は武力と意思をもって自国と国益を守る」との考えを示した。

かつてアメリカとイランの秘密会談を仲介したオマーンのユースフ・ビン・アラウィ外相は20日、イランの首都テヘランを訪れ、ザリフ氏と地域問題について話し合った。