ニュージーランド銃撃、事件後初めての葬儀 6人の身元公表

Body of a victim of the mosque attacks arrives during the burial ceremony at the Memorial Park Cemetery in Christchurch, New Zealand March 20, 2019

画像提供, Reuters

画像説明, 身元確認などが進まなかったため埋葬が遅れていた(20日、ニュージーランド・クライストチャーチのメモリアルパーク墓地)

約100人が死傷したニュージーランド・クライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)銃撃事件後、最初の葬儀が20日、市内のメモリアルパーク墓地で執り行われた。

ニュージーランド・クライストチャーチで15日に発生した銃撃の被害は、死者50人、負傷者50人に達したほか、2人が重体という。

複数のボランティアが、埋葬の手伝いと遺族の支援のためクライストチャーチを訪れた。

イスラム教の伝統では、死後できるだけ早く遺体の洗浄と埋葬をしなければならないが、身元確認などが進まなかったため埋葬が遅れていた。

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20日の葬儀に先立ち、クライストチャーチ市はメディアに対し厳格な指導を行い、遺族をそっとしておくよう求めた。

同市の報道官は、「遺体は埋葬地に遺族エリアとして設けられているプライベートなテントに運び込まれる。短く祈りをささげた後、遺族と友人は遺体を墓地まで運ぶことになる」と述べた。

白人至上主義者を自称するオーストラリア国籍のブレントン・タラント容疑者(28)は、殺人容疑で訴追された。

Mourners carry the casket of a 58-year-old man during the fifth funeral for the 50 victims of the mosque shootings at the Memorial Park Cemetery in Christchurch, New Zealand, 20 March 2019

画像提供, EPA

画像説明, 58歳男性の棺を運ぶ参列者たち(20日、ニュージーランド・クライストチャーチ)

20日中にすべての身元確認を

警察は20日、アルヌール・モスクで犠牲になった6人の身元を公表した。また、死亡した50人全員の身元確認を同日中に終えたい考えを示した。

それでも、身元確認作業の遅れに落胆する遺族もいる。アルヌール・モスクで犠牲になったマティウラ・サフィさんの息子のモハメド・サフィさん(23)はAFP通信に対し、遺族にもたらされる情報が乏しいと訴えた。

警察は19日の声明で、身元確認の作業に時間を要していることに対し、遺族が不満を抱えていることを非常に強く理解していると述べた。

「できる限り早く作業に取り掛かり、犠牲者を愛する人々のもとへ返すよう全力を尽くしている」

動画説明, 銃撃で妻を失い……犯人を「人として愛し許す」

15日に2つのモスクで殺害された50人の中には、パキスタン、バングラデシュ、インド、トルコ、クウェート、ソマリアなどからのイスラム教徒の移民、難民、そして住民が含まれる。

ニュージーランドの入国管理によると、葬儀に出席するために海外からの入国を希望する遺族に対し、ビザの手続きが進められているという。

動画説明, 被害者の支援始まる NZ銃撃、教会でも

銃の自主返納

そうしたなか、国民の間では銃を自主返納する動きが広がりを見せている。

マスタートンのノースアイランド地区の農家、ジョン・ハート氏は、半自動小銃を警察に持ち込み、破壊してもらったとツイッターに投稿した。

「今日までは、私は半自動小銃を所持するニュージーランド国民の1人だった。状況によっては、農場で便利な道具だが、個人的な利便性よりも誤用の危険性が大きい」

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この投稿には多くの支持が集まったが、特にプロの銃所持の推進ロビー活動が根強いアメリカでは、多くの銃所有者から罵倒が殺到した。

ラジオニュージーランドによると、警察は現在、実際にどれだけの銃が自主返納されたのか情報収集しているという。

New Zealand Prime Minister Jacinda Ardern receives a hug from a student during her visit to Cashmere High School on March 20, 2019 in Christchurch

画像提供, Getty Images

画像説明, 生徒が犠牲になったカシミヤ高校を訪問したアーダーン首相(右)。女子生徒が抱きしめて出迎えた

首相は生徒に対し、国内の人種差別をなくすよう協力を求め、「犯人の名前を決して語らないで。決して、男がしたことを記憶にとどめないで」と繰り返し呼びかけた。

首相の対応

19日の特別議会で、アーダーン首相は銃撃犯の名前を今後一切口にしないと誓った

「男はこのテロ行為を通じて色々なことを手に入れようとした。そのひとつが、悪名だ。だからこそ、私は今後一切、この男の名前を口にしない」

首相は、銃撃犯は「最大限の法の力」で裁かれるだろうと断言した。

これを受けて首相は、ソーシャルメディア各社に対し、テロに対抗するために追加策を講じるよう求めた。

米フェイスブックは19日、犯行動画のライブ配信中の視聴回数は200回未満だったと明らかにした。動画が削除されるまでに合計で約4000回も視聴されていたという。同社は最初の24時間のうちに、世界中で問題の動画を約150万本削除したが、そのうちの約120万本はアップロードの最中にブロックされたという。