ブレグジット延期をEUに要請へ 英下院が可決

画像提供, UK Parliament/Jessica Taylor
英下院(定数650)は14日夜、欧州連合(EU)からの離脱を延期するかどうかを採決し、412対202の大差でこれを可決した。これにより、イギリスは3月29日にEUを離脱しない可能性が出てきた。
これを受けてテリーザ・メイ首相は、ブレグジット(イギリスのEU離脱)を通告するEU基本条約(リスボン条約)第50条の延長をEUに要請することになる。
メイ首相は、来週予定の採決で下院議員が自分の離脱協定を支持すれば、ブレグジットを6月30日までの3カ月間延期するようEUに求めると表明した。
この場合、首相の離脱協定に対する下院採決は3度目のことになる。もし下院が首相の協定をまたしても否決した場合は、より長い延長をEUに求めることになる。いずれの場合も、離脱延期にはEU加盟27カ国全ての合意が必要となる。
野党票に頼った可決
採決では、閣僚7人を含む大半の保守党議員187人と、閣外協力する北アイルランドの民主統一党(DUP)が離脱延期に反対した。
メイ首相はかねてから、離脱協定によるかどうかに関わらず、3月29日にEUを離脱するのだと主張してきた。
しかし今週行われた一連の採決で、下院は離脱協定を大差で否決した後、合意なしブレグジットも否決した。そのため、首相は離脱延期を提案せざるを得ない状況になり、保守党の多くがこれに反対したため、首相は最大野党・労働党など野党票に頼る形になった。
ブレグジット延期に賛成した412人のうち、236人は労働党、111人は保守党、35人はスコットランド国民党(SNP)の議員だった。

画像提供, AFP
メイ首相は、3カ月以上の離脱延期は民主主義への信頼を損なう恐れがあると警告している。また、これ以上の遅れが生じると、5月末に行われる欧州議会選挙に参加しなくてはならなくなると指摘した。
一方で首相官邸は、イギリス政府はなお合意なしブレグジットに向けた準備を進めていると述べた。
メイ首相は20日までに3度目となる「意味ある投票」を行い、離脱協定について採決を求める方針。離脱協定はこれまでに2度、圧倒的な票差で否決されている。
その後、首相は21日のEU首脳会議(サミット)に出席し、ブレグジットに必要な法案をイギリス議会で承認するために1度限りの期間延長を申し出る。
欧州委員会の報道官は、第50条に定められた2年間の離脱交渉期間の延長にはEUの「全加盟国の合意」が必要だと説明した。
また、各国首脳は「EUが正常に機能する必要性を最優先し、延長の理由とその期間を考慮に入れながら、要請について考える」ことになると話した。
またしても閣僚が造反
閣僚の中にはなお3月29日の離脱が可能だという意見もある。また13日に続き、14日の採決でも閣僚の造反が相次いだ。
首相官邸は、「全ての派閥に強固な意見がある」状況においてメイ首相が党議拘束を行わなかったのは「自然な結果」だと説明している。
今回の採決では、リズ・トラス財務首席政務次官、スティーブン・バークリーEU離脱相、アラン・ケンズ・ウェールズ相、リアム・フォックス国際貿易相、ペニー・モーダント国際開発相、アンドレア・レッドソム下院院内総務、クリス・グレイリング運輸相、ギャヴィン・ウィリアムソン国防相の8人が離脱延期に反対した。
トラス政務次官はツイッターで、「私はブレグジット延期に反対した。下院が延期を承認した以上、一刻も早く離脱協定が結ばれ、短期間で実務的な延期が最小限に収まることを望んでいる」と述べた。
一方でマシュー・ハンコック保健相は、「非常に困難」ではあるが、「3月29日に協定に則ってEUを離脱できる可能性はまだある」と話した。
ハンコック氏は「協定を承認して整然とEUを離脱するか、長い延期を取るかの二択だが、後者は大惨事になると思う」としている。
2度目の国民投票は否決
14日には2度目の国民投票を行う案が提出されたが、労働党のほとんどの議員が棄権し、334対85で否決された。保守党議員は300人以上が反対票を投じている。
この案は、先に労働党を離党した議員によって結成された独立グループ(IG)のサラ・ウォラストン議員が提出したもの。労働党は2度目の国民投票を支持する方針を示しているが、この採決では時期尚早として、この案を支持しない党議拘束を行っていた。
ジェレミー・コービン党首は投票後、あらためて2度目の国民投票案を支持する意向を明らかにした。
「私はきょう、労働党の代替案に基づく離脱協定が下院全体の支持を得て可決されるという確信を再確認した」
「一方で、政治的なポイント稼ぎのためではない、このこう着状態を打破するための現実的な選択肢として、『人民の投票」に対する確信も再確認した」
労働党が提出した「別の方法に過半数の支持を得る」ための離脱延期案は、318対302で否決されている。
また、超党派が提出したEU離脱プロセスで採決すべき議題の決定権を下院に移す案も、わずか2票差で否決された。











