韓国大統領初、文氏が北朝鮮マスゲームで演説 白頭山にも

画像提供, Reuters/Pyongyang Press Corps
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日夜、北朝鮮の平壌でマスゲームに出席し、韓国指導者として初めて北朝鮮国民に向けて演説した。また大統領は20日午前、中朝境界にある「白頭山(ペクトゥサン)」に登った。白頭山は、朝鮮民族の建国神話の発祥地とされ、北朝鮮では故金日成主席の「聖地」と位置づけられている。
文大統領はマスゲームでは7分にわたり演説し、両国が朝鮮戦争以前のように「1つになる」べきだと述べた。
3日間の日程で平壌入りした文氏は、19日には歴史的な「9月平壌共同宣言合意書」に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と共に署名した。
<関連記事>
マスゲームは、北朝鮮最大のプロパガンダ・イベントだ。
何万もの人が複雑な振り付けの踊りや体操の動きで、朝鮮半島の歴史や神話を表現する。今年は北朝鮮の建国70周年を記念している。
両首脳が平壌のメーデー・スタジアムに姿を見せた時、会場の15万人は立ち上がって拍手した。

画像提供, AFP
文氏は演説で、「過去70年の敵対状態を完全に終わらせ、再び1つになるために、平和に向けて大きな一歩を踏み出すよう提案する」と述べた。演説は、北朝鮮では放送されなかったものの、韓国では生中継された。
文氏は非核化についても演説し、核兵器を「永遠に」放棄するよう求めた。
米シンクタンク「パシフィック・フォーラム」研究員のアンドレイ・アブラハミアン氏はBBCに対し、「演説は明らかに、北朝鮮の観衆に向けて書かれたものだった」と述べた。
アブラハミアン氏はまた、スタジアムの雰囲気は「感情にあふれたもの」だっただろうと述べ、「パフォーマンスと文大統領の演説は、国民の心の琴線に触れるよう作られていた」と加えた。
「文氏は本当に気持ちをこめて、北朝鮮の支援を求めて呼びかけた。北朝鮮での文氏の人気は過去にないほど上がるだろう」

画像提供, Getty Images

画像提供, Reuters/Pyongyang Press Corps

画像提供, Reuters/Pyongyang Press Corps

画像提供, Getty Images
アリラン祭の開催は2013年以来で、国民の団結や歴史の共有、指導者の神格化などを強調する国内向けプロパガンダにおいて、重要な位置を占める。
何万人もの子どもが参加するため、複数の国際人権団体は、児童強制労働だとして非難している
北朝鮮の人権状況に関する2014年国連報告は、「マスゲームのための厳しい訓練内容は(中略)子供の健康と福祉にとって危険だ」と指摘した。
報告書はさらに、マスゲームを見るために集まる大勢の観光客は「多くの場合、参加を強制される子供たちに対する人権侵害に気づいていない」と批判した。

画像提供, AFP

画像提供, Getty Images

画像提供, AFP/Getty

画像提供, AFP

画像提供, AFP/Getty

画像提供, AFP/Pyongyang Press Corps

画像提供, Reuters
きわめて象徴的な動きとして、朝鮮半島の指導者2人は20日午前、3日間の首脳会談の締めくくりとして白頭山を訪れた。
白頭山は韓国国歌に登場するほか、北朝鮮では故金日成主席の抗日闘争を始め、様々なプロパガンダの一部となっている。

画像提供, Reuters
文大統領はさらに、帰国の途に着く前に空港で、自分を見送る北朝鮮の人たちに深々と頭を下げた。
国民が国家指導者に最敬礼するのではなく、国家指導者が一般人に対して腰を90度曲げてお辞儀をしたことが話題になっていると、脱北者の1人は地元ラジオに話した。
この男性は、韓国大統領によるこの深い最敬礼は、北朝鮮住民に深い影響を与えるだろうと話している。

画像提供, EPA







