探査機「はやぶさ2」 10月に小惑星着陸へ JAXAがスケジュール決定
ポール・リンコン BBCニュースウェブサイト科学担当編集委員

画像提供, JAXA, Uni Tokyo & collaborators
日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)はこのほど、着陸地点選定会議を実施し、探査機「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」への着陸候補地点と予定日を決定した。はやぶさ2はロボットを使って小惑星の表面を探査する計画で、実現すれば歴史的な達成となる。
はやぶさ2は3年半の航行後に今年6月、回転するコマ型の小惑星リュウグウに到着した。
JAXAは「母船」はやぶさ2から別々の探査ロボット2機を展開する日程を9月と10月に設定した。
2機のロボットは小惑星上にある別々の2地点に送られる。
計画が全てうまくいけば、はやぶさ2と探査ロボット2機は小惑星の表面からデータを収集するため小惑星に到着する初の探査機となる。
正式には小惑星リュウグウ(確定番号162173)として知られる幅1キロの岩石は、非常に原始的な種類の小惑星に分類されており、そのため太陽系初期の残存物が残っている。リュウグウの残存物を調べれば、地球の起源と進化が明らかになる可能性がある。
はやぶさ2は2014年12月3日、日本南部の種子島宇宙センターから打ち上げられた。目標であるリュウグウの地表に展開する、科学計器を載せた実験機器をいくつも積んでいる。
はやぶさ2は9月21日に最初の探査機分離を実施予定。重さ3.3キロの探査ロボット「ミネルバII-1」は着陸後、探査ロボット車「ローバー1A」と「ローバー2A」の2機を展開する。

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それぞれ重さ1キロの探査車2台「ローバーズ」は、実際には小惑星の低重力下を飛びはねて移動する。それぞれの車には、モーター駆動の内部積載物があり、回転して動力を生んで探査車に小惑星の表面を進ませる。
リュウグウの画像を撮影して持ち帰るため、探査車2台には広角で立体映像を撮影できるカメラが搭載されている。
はやぶさ2はその後、10月3日に探査ロボット「マスコット」を展開する。マスコットはドイツ航空宇宙センター(DLR)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)が共同で開発した。
「マスコット」は、「移動小惑星表面探査機(Mobile Asteroid Surface Scout)」の略称。重さ10キロの計器群で、広角カメラ、鉱物組成を調べる顕微鏡、温度を測る放射計、磁場を計測する磁気探知器が積まれている。小惑星表面から幅広い科学的データを収集する。

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小惑星表面に到達後、マスコットは一度だけ、飛び上がって位置を移動できる。
日本の東北大学に所属する開発チームが作ったもう1つの探査機「ミネルバII-2」は、ミネルバII-1とマスコットの後に展開される予定。
さらにその後の探査では、JAXAはリュウグウ表面に小型クレーターを作るため、爆発物の点火を計画している。
何十億年も宇宙の環境に露出され変質している地表とは異なる、変化が起きていない岩石を収集するため、はやぶさ2は爆発発生後にクレーター内に降下する予定だ。

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画像提供, JAXA / Akihiro Ikeshita
収集された試料はその後、実験室での研究のため、地球に持ち帰られる。
はやぶさ2は小惑星の試料を積んで2019年12月にリュウグウを出発し、2020年に地球へ戻る想定となっている。
初代はやぶさは2003年に打ち上げられ、2005年に小惑星「イトカワ」に到達した。
不運の連続に見舞われたものの、はやぶさは2010年、集めた少量の小惑星の物質とともに地球に帰還した。
米国の小惑星試料持ち帰り計画、オシリス・レックスは、今年後半に目的地である小惑星ベンヌに到達する予定だ。
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