EU・メキシコ・カナダ、新たな米自動車関税への報復措置を警告

画像提供, EPA
欧州連合(EU)とメキシコ、カナダは19日、米トランプ政権が検討している自動車・自動車部品への新たな関税に対する報復措置を準備していると表明した。
関税をめぐり米商務省が同日開いた公聴会には、各国・地域の代表や業界関係者が出席した。メキシコのゲロニモ・グティエレス・フェルナンデス駐米大使は、同国製品は米国の国家安全保障の脅威とはなっていないと語った。
「我々は今後も不当な貿易規制を監視し、メキシコの自動車産業が悪影響を受けないよう我々の権利を行使する」とフェルナンデス大使は述べた。
ドナルド・トランプ米大統領は今年5月に、自動車や同部品の輸入増が国家安全保障上の脅威になる可能性について商務省に調査するよう命じた。これには米国内でも反対意見が幅広く出ている。
商務省には、米最大手のゼネラル・モーターズ(GM)を含む関係各社や一般市民から2000件以上の意見が寄せられている。アンティーク車の部品価格が上昇するのではないかと心配する声もある。
あるアリゾナ州在住の男性は、新たな関税について「正気とは思えない」と語った。
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公聴会では、各国・地域の代表ら35人以上が意見を述べる予定。多くの発言者は新たな関税に反対の立場をとっている。
カナダとEUの代表も関税への報復措置を取ると表明した。米国が先に導入した鉄鋼・アルミニウム製品に対しては、すでに報復措置が取られている。
全米自動車労組(UAW)調査部門のディレクター、ジェニファー・ケリー氏は、過去20年間にわたる米自動車産業での大幅な雇用減を指摘し、米国は「的を絞った措置」をとるべきだと述べた。
ケリー氏は、「米国での大量の解雇といった、性急な行動が不測の事態を起こすことへの注意が必要だが、何もしなくてよいというわけではない」と語った。
「ものすごい報復」
米国は2017年に額にして2000億ドル(約22兆4500億円)以上の自動車・商用車を輸入した。このうち8割近くがメキシコ、カナダ、日本、ドイツの4カ国から輸入された。
輸入車メーカーの独BMWやトヨタは、米国内での雇用数も業界有数の規模。一方で、米国の自動車輸出額は年間1000億ドル超となっている。
自動車メーカー各社は関税が25%に達する可能性があり、輸入車の価格を平均で6000ドル近く押し上げ、米国製の自動車の価格も約2000ドル高くなるだろうと予測している。
さらにメーカー各社は、関税によって投資が削減され、雇用減にもつながるとしている。
ピーターソン国際経済研究所は、新たな関税の導入によって、報復措置がない場合でも19万5000人の雇用が失われる可能性があると指摘している。
政治的反発
トランプ氏は批判の声には動じていない様子だ。
トランプ氏は18日、EUに対する自動車関税について再び言及し、もし貿易交渉が望んだ通りの結果にならなければ、「ものすごい報復」が待っていると脅した。
しかし、自動車関税への政治的な反発も強まっている。
ワシントンでは19日、公聴会に反対する自動車産業の労働者たちがデモ集会を開いた。
また、米連邦議会の下院議員150人近くが今週、超党派で商務省に書簡を送り、自動車関税の提案を拒否するよう呼びかけた。
オーリン・ハッチ上院議員(ユタ州選出)は、もしトランプ大統領が計画通り自動車関税を導入するなら、通商政策に対するホワイトハウスの権限を制限する法案を検討すると語った。








