欧州で厳しい寒波続く 市民生活に混乱
欧州の広範囲でシベリア寒気団による寒波が続き、市民の生活に混乱をもたらしている。
嵐や大雪によって道路が通行不能になり、鉄道の運行停止や学校の休校、多数の航空便のキャンセルが相次いでいる。
異例の寒波は、南部の地中海沿岸地域にまで達している。
寒波に関連した死者数は55人に上り、そのうち21人がポーランドで死亡。大半の犠牲者は野宿していた。
世界保健機関(WHO)は、貧困者やホームレス、移民が最も寒波の影響を受けていると警告した。WHOは声明で、「寒さに関連した病気にかかるリスクが高いのは、高齢者、子供、慢性疾患のある人々、身体あるいは精神的なハンディキャップのある人々だ」と述べた。

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寒波の影響を受けた地域
今回の寒波にはさまざまなあだ名が付けられた。英国では「東からの獣」と呼ばれ、オランダでは「シベリアのクマ」、スウェーデンでは「雪の大砲」と名付けられている。
通常は暖かいフランス南部リビエラ海岸でも、降雪が観測された。
アイルランドでは、南から到来する嵐「エマ」によって数十年ぶりの大雪になると予想されている。首都ダブリンの空港の発着便はキャンセルされ、少なくとも3日までは影響が続くとみられている。

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スイス・ジュネーブの空港は1日朝に閉鎖を余儀なくされたが、滑走路の除雪後に再開された。
フランスでは、南部モンペリエ近郊の高速道路で約2000台が動けなくなった。24時間も足止めされていると訴えるドライバーもいた。
オランダ・アムステルダムのスキポール空港も寒風に見舞われ、KLM航空は数十のフライトをキャンセルしたり遅らせたりした。

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高速鉄道ユーロスターが運行するロンドン、パリ、ブリュッセルを結ぶ路線は一部が止まった。
犠牲者が出ている地域
ポーランドにおける多数の死者に加えて、南欧のスペインやイタリアでも犠牲者が出ている。
AFP通信によると、スロバキアでは先月25日以降、7人が死亡。さらに6人がチェコで死亡している。

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スペイン当局が語ったところでは、同国での犠牲者3人のうち1人はホームレスで、廃棄されたトラックで寝泊りしていたという。
また、リトアニアでは5人が死亡。このほかフランスで4人、セルビアとイタリア、スロベニア、ルーマニアでそれぞれ2人、英国とオランダでそれぞれ1人が死亡したと、AFP通信は報じている。
パリでは、市内にいるホームレス約3000人のため当局が緊急避難所を設置した。
このほかの動き
今後も大雪が予想されるウクライナは、天然ガスの供給をめぐりロシアと再び対立している。
ロシアの国営ガス会社ガスプロムは、合意がまとまっていないとして、1日に予定されていたガスの供給再開を延期すると述べた。再開されれば、2015年に停止されて以来、初のガス供給になるはずだった。
ウクライナの国営ガス企業ナフトガスがガスプロムが契約を守っていないと非難。これを受け、欧州委員会が仲介に乗り出した。
ロシアとウクライナの間では、2014年にロシアがクリミア半島を併合して以来、対立が続いている。
天気予報
欧州の一部地域では、今後数日間で気温は上昇すると予想されている。しかしアイルランドやイングランド南部の一部は、ポルトガルやフランスを通過して北上する嵐「エマ」の到来に身構えている。
アイルランドのリオ・バラッカー首相は1日、国民に対し、2日に「エマ」が通過するまで屋内にとどまるよう呼びかけた。
同首相は緊急対応部局との会合の後、「悪天候が命の危険をもたらすリスクを甘くみてはいけない」と語り、「このような状況で外に出るのは安全でない」と述べた。







