北朝鮮、マレーシア人の出国を禁止

画像提供, AP
北朝鮮は7日、国内に滞在するマレーシア人の出国を禁止すると発表した。金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害された事件をめぐって両国が対立を深めるなか、今回の措置が明らかになった。
マレーシア政府は対抗策として、同国内の北朝鮮大使館員の出国を禁止した。マレーシア政府は「必要な措置」だとしている。
両国の報復的な対応は、マレーシア当局による殺害事件への捜査に北朝鮮が強く反発するなかで出てきている。
マレーシアは、北朝鮮が殺害に関与していると直接名指したことはないものの、大勢は北朝鮮が指示したと見ている。
しかし北朝鮮は関与を強く否定しており、マレーシアが事件の扱いを誤り、北朝鮮の敵と共謀していると非難している。
死体安置所にある金正男氏の遺体を引き取る権利を双方が主張するなど、殺害事件をめぐる両国の対立は過去2週間で急速に悪化した。
両国は既にお互いの大使を国外退去させているが、北朝鮮は今回、安全確保を理由にマレーシア人の出国を一時的に禁止すると発表した。国営朝鮮中央通信(KCNA)は、出国禁止措置は「マレーシアでの出来事がきちんと解決されるまで」続けられると伝えた。ただし、北朝鮮国内でこれまで通りの生活ができるという。

画像提供, AP
北朝鮮の発表から数時間後には、マレーシアのアフマド・ザヒド・ハミディ首相が北朝鮮大使館のスタッフの出国を禁止すると述べた。
地元紙マレーシア・スターはザヒド副首相が、「やりたくないが、必要な措置だ」と語ったと伝えた。同首相は、「彼ら(北朝鮮)が殺人事件を操作しようとしているので、同様の措置をとる必要がある」と述べたという。
今回の措置で何人の人が影響を受けるのかは現時点では不明。
遺体の司法解剖の結果、マレーシア当局は、金正男氏が先月13日にマカオ行きの飛行機への搭乗を待っていた際に、猛毒の神経剤VXを顔に塗りつけられ、殺害されたと結論付けた。

画像提供, Reuters/AFP
実行犯とされたベトナム国籍とインドネシア国籍の女性容疑者2人のみが、これまでに殺人罪で起訴されている。
一時拘束されていた北朝鮮国籍の男性は証拠不十分を理由に釈放されたが、マレーシア警察は事件に関連して、複数の北朝鮮国籍の人物の行方を追っている。
マレーシアのカリド・アブバカル警察庁長官は7日の記者会見で、2人の容疑者がクアラルンプールの北朝鮮大使館内に潜伏していると述べた。「我々は待つ。5年かかろうが我々は外で待つ。必ず誰かが出てくる」。
北朝鮮は、殺害されたのが北朝鮮国籍の人物だったとのみ認めており、遺体が金正男氏のものだとは認めていない。金正男氏は偽名のパスポートを使用していた。








