【移民危機】登録センターの受け入れ枠を約10万人分増設へ

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欧州連合(EU)11カ国と非加盟国3カ国の首脳は25日、移民問題についてブリュッセルで緊急会合を開き、受付センターにさらに約10万人分の受け入れ枠を追加すると合意した。
新しい合意に基づきギリシャ政府は年末までに、3万人が受け入れ可能な新しい受付センターを開設する。ギリシャには10月後半になって毎日9000人以上と、今年最高のペースで移民が到着し続けている。
合意に基づき国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も、年末までに2万人分の受け入れ枠を増設する。加えて、移民の多くがドイツやスカンジナビア諸国を目指す北上ルートに選んでいるバルカン諸国にも、さらに5万人分の枠を追加する方針。
欧州首脳のほかの合意内容は以下の通り。
- 増え続ける移民の数に苦慮しているスロベニアに、1週間以内に警官400人を派遣
- 隣国国境へ向かおうとする移民の移動が「隣国に通知されずに」起きるのを「なるべく避けるように促す」
- 他の政府や関係当局に移民の人数を提供できる連絡担当を設置
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は移民危機について「欧州にとって最も重大なリトマス試験のひとつだ」と述べた。

ドイツや北欧をを目指す移民の移動については、ハンガリーがセルビアやクロアチアとの国境を封鎖したため移動のボトルネックが生じ、多くの人がセルビア、クロアチア、スロベニアを経由するルートを選ばざるを得なくなっている。このため、バルカン半島の諸国は、流入する人数の多さに対応能力が限界にきていると訴えている。
バルカン諸国は、移民キャンプや次の国境への移動を政府が支援しているケースもある。こうした支援の停止が織り込まれていた行動計画案についてクロアチアのミラノビッチ首相は首脳会談に先立ち、「そんなことは不可能だ。そんなことを書く人は、どういう事態になっているか理解していないし、何カ月も眠りこけていた後にやっと起き出したに違いない」と反論した。
一方で首脳会談後に欧州委員会のユンケル委員長は、「(移民を)ただ通過させるのは止めなくてはならないし、今後はそういう対応はなくなる」と述べた。

ミラノビッチ首相やスロベニアのパホル大統領は25日の緊急会合に先立ち、トルコからギリシャへの移動をより厳しく制限しなければ対策はうまくいかないと述べていたが、その点についての合意は得られなかった。

<分析>BBCニュース、ルーシー・ウィリアムソン記者(ブリュッセル)
ぶつぶつと文句の声が聞こえた。熱心な訴えも聞こえた。そして痛烈な反論も聞こえた。
一堂に会した各国首脳が求めているのは、実は同じことなのに、なかなかそうは思えなかった。バルカン半島の西側を通過する移民経路の混乱を食い止めたいと、全員の願いはひとつだったのだが。
願いはひとつでも、方法について合意できないのだ。
クロアチアのゾラン・ミラノビッチ首相は早くも行動計画を「非現実的」で、「何カ月も眠りこけていた後にやっと起き出してきた」人物が策定したに違いないと評していた。
ブリュッセルに集まった多くの首脳が同意見だ。トルコ国境を越えてギリシャに渡る人の流れを食い止めるためにトルコ政府が具体的な対策を取らないのでは、ほかの対策は枝葉末節をいじっているに過ぎないと。









