NATOが8日に国防相会議 ロシアのシリア空爆が主要テーマに

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北大西洋条約機構(NATO)が8日にブリュッセルで開く国防相理事会では、ロシアのシリアでの軍事行動の拡大が主要なテーマとなるとみられる。
シリア空爆をめぐっては、今月初めにロシア空軍機がNATO加盟国トルコの領空を侵犯し、トルコが強く抗議している。BBCのジョナサン・マーカス防衛問題担当編集委員によると、理事会はNATOに対するいかなる挑戦をも看過しない姿勢をはっきりと示す意向。
理事会では、ウクライナ危機を受けて取った広範な措置についても協議される見通し。理事会メンバーはトルコとの連帯を強調するほか、ウクライナ東部で続く対立へのロシアの介入に対するバルト海諸国の懸念についても対応策を協議する予定だ。
マーカス編集委員によると、マイケル・ファロン英国防相は、英国がバルト海諸国で英軍を長期展開する準備があると表明する予定。
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ロシアによるシリア領内での軍事行動をめぐっては、ロシア外務省が、シリア自由軍(FSA)と連携して過激派勢力「イスラム国」(IS)や「他のテロリストら」と戦う用意があると表明している。FSAは西側諸国が支援する反体制派。
ただ、8日のNATO国防相理事会に出席する予定のカーター米国防長官は、米国主導の有志連合がロシアと連携することはないとの考えを示している。カーター長官は、「ロシアの戦略は間違っていると考えている」と述べ、「ISでない標的を攻撃し続けている」と指摘した。
空中衝突の懸念
ロシアによるシリア空爆を受け、過去1年にわたってシリアでISを攻撃してきた米国主導の有志連合の空軍機がロシア空軍機と衝突する懸念が高まっている。米国防総省の高官は、ロシア空軍機に接近した米軍機を迂回させる事例が最近少なくとも1件起きたことを明らかにした。

NATOのイエンス・ストルテンベルグ事務総長は6日、ロシア空軍機によるトルコ領空侵犯について、「長時間ににわたり」「意図的でないとは見えない」とし、ロシアからきちんとした説明がないと述べた。同事務総長はまた、海上で艦船が集結しており、シリア領土内での地上軍が強化されていると指摘した。
ロシアの駐トルコ大使は領空侵犯を受けて、トルコ外務省に3回呼び出されている。トルコのエルドアン大統領はロシアに対し、「トルコへの攻撃はNATOへの攻撃に相当する」と警告した。同大統領は「さまざまな協力関係にあるトルコのような友人を失えば、失うものは大きいことをロシアは知るべきだ」と述べた。
ロシアのカスピ海艦隊とは
カスピ海艦隊は、黒海艦隊と共にロシアの南部軍管区に所属し、アストラハンが母港。ロシア国防省によると、艦隊は複数の船団や、水上艦や沿岸部隊の師団からなる。
ロシア海軍は2011年、カスピ海艦隊に新造の軍艦とミサイル艦16隻を2020年までに装備すると発表。2011年中にもミサイル艦2隻が到着している。
2014年にはカスピ海沿岸諸国が域外の軍隊による展開を禁止することで合意し、NATO軍が同地域に駐留することができなくなった。
カスピ海は世界で最も大きな塩湖。ただし、周辺国ではカスピ海が海なのか湖なのかで意見が分かれている。これには、海か湖かで領海の範囲や資源開発の権利の取り決めが変わることが背景にある。








