選挙スタッフ550人が死亡 インドネシア大統領選で何があった?

画像提供, Getty Images
先月17日にあったインドネシア大統領選では、投開票などに当たったスタッフ550人以上が過労などで死亡したとされる。いったい何があったのか。
大統領選は、国会と地方議会の選挙も同時に開催。有権者は1億9000万人を超えた。1日で投開票を済ませる選挙としては、世界でも珍しい大規模なものだった。
インドネシアには1万8000もの島々があり、投票所の設営や投票箱の移動などでかなりの労力が必要となる。今回の同日選に関わったスタッフの人数は、総計700万人を超えた。
選挙管理委員会によると、選挙スタッフは738万5500人で、うち567万2303人は民間人、残りは投票所の警備に当たった警察や軍の関係者たちだった。

画像提供, Getty Images

開票はすべて手作業。締め切りに間に合わせるため、深夜や翌日の朝方まで開票が続いたところも多かったとされる。
選管は、投開票日から11日後の4月28日までに、270人以上の選挙スタッフが過労などで死亡したと発表。病気になった人も1878人に上ったとした。
死者数はその後、550人以上に上方修正した。
死亡率で分析すると…
選挙スタッフの死亡率は異常なのだろうか。
世界保健機関(WHO)によると、インドネシアの死亡率は1000人につき7.16人(2017年)だ。
これを選挙スタッフの人数である700万人に当てはめると、1日につき137人前後が亡くなる計算になる。
選挙スタッフは全員、投票準備や開票作業などで4日働いたと仮定し、先ほどの数字をもとに計算すると、死者の数は548人になる。
これは、選管が発表した約550人という死者数にかなり近い。
ただ、この大まかな計算は、年齢や性別、健康状態などの要素を勘案していない。
インドネシアの当局によると、亡くなった選挙スタッフの多くは50歳以上だったという。
そうすると、選挙スタッフの死亡者数はもっと多くなるはずだと考えられる。

画像提供, Getty Images

インドネシアの保健省の発表では、亡くなった選挙スタッフの死因は心不全、脳卒中、呼吸不全、髄膜炎、敗血症などだ。
死者のうち、どれくらいに既往症があったのかは不明だ。
選挙スタッフの中で疲労やストレスを訴えて入院した人のうち、ほとんどは24時間以上続けて働いていたと言われている。それ以前にも何日間か、選挙準備で働いていた人も多いはずだ。
投開票日は4月にしては気温がそこそこ高かった。
オークランド大学のジェシー・ヘション・グレイマン博士は、2014年には選挙スタッフの死者が144人だったことと比べると異常だが、なんらかの結論を得るにはさらなる分析が必要だと話している。











