モスクワの高層住宅にドローン攻撃 赤の広場から数キロ

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ロシアの首都モスクワで4日未明、高層集合住宅にウクライナのドローンが命中し、建物の外壁が大きく損傷した。死傷者はいなかった。高層住宅は、クレムリン(ロシア大統領府)や赤の広場のある首都中心部から南西約6キロの高級住宅地にある。他方、ロシア政府は4日、戦勝記念日の記念行事に合わせて8日と9日にはウクライナに対して停戦すると一方的に宣言した。
モスクワに対するドローン攻撃は3夜連続している。9日には市内の赤の広場で、対ナチス・ドイツ戦勝記念日の軍事パレードが行われるが、ロシア政府はすでにパレードの規模縮小を発表している。
高層住宅へのドローン攻撃については、粉じんと瓦礫(がれき)に覆われて窓が吹き飛ばされた部屋に消防隊員が入る様子の未確認映像が、ソーシャルメディアで拡散している。別の動画では、ドローンの残骸が下の通りに散乱しているのが確認できる。
モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長によると、ほかに2機のドローンが迎撃された。ヴヌコヴォ空港とドモジェドヴォ空港は、夜間に業務を停止した。
ロシア国防省は、3日から4日にかけて、複数のロシア地域で計117機のドローンを迎撃したと発表した。北西部レニングラード州のアレクサンドル・ドロジェンコ知事は、そのうち60機が同州を標的にした「大規模」な攻撃だったと述べた。

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一方的な停戦宣言
ロシアが2022年2月にウクライナ全面侵攻を開始して以降、ウクライナのドローンはモスクワを何度も攻撃してきた。首都周辺の空港はドローン警報でたびたび閉鎖され、旅客機の運航はしばしば混乱するものの、首都の大部分は対空ミサイルシステム「パーンツィリS1」で防衛されているため、中心部近くまでドローンが到達するのは比較的珍しい。
5月9日の記念行事を前に、クレムリンは4月29日、ウクライナによる「テロの脅威」を理由に、赤の広場で毎年行われる大規模な軍事パレードの縮小を発表した。2008年以来初めて、装甲車両やミサイルシステムが登場しないパレードになる。
ロシア政府はさらに4日、記念行事に合わせて5月8日と9日にはウクライナに対して停戦すると一方的に宣言した。同時にロシア国防省は、ウクライナが戦勝記念日の祝賀を妨害しようとした場合、首都キーウ中心部に対して大規模な報復攻撃を行うと警告した。
ロシアのメディアによると、複数の地元通信事業者は4日、「治安上の理由」で、今週の大半にわたりモスクワでのモバイルインターネット通信を制限すると発表した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、クレムリンは「ドローンが赤の広場の上空を飛ぶことを恐れている。これはいかにもな話だ(中略)我々は引き続き圧力をかけなくては」と述べた。
ゼレンスキー氏はその後、ロシア側が示した1日限りの停戦案について「本気ではない」と一蹴。公式な提案は受け取っていないと述べた。ウクライナは独自の停戦を「5月5日から6日にかけての深夜0時から」順守するとも話した。

戦争開始以降、ウクライナは長距離ドローンを多く蓄えてきた。国境から数百キロ離れた標的を攻撃できることも多い。
こうしたドローンは現在、ロシアの石油生産と収入を削るため、ロシア全土のエネルギーインフラや製油所を繰り返し攻撃している。
ゼレンスキー大統領は3日、ロシアの2つの港に対する攻撃で、ロシアの石油タンカー3隻、巡航ミサイル運搬艦1隻、哨戒艇1隻を攻撃したと述べた。タンカーはいずれも、西側の対ロ制裁を回避するために使われているロシアの「影の艦隊」の一部だったと述べた。
他方、ロシアはウクライナの市町村を連日空爆し、甚大な被害を出している。ウクライナ当局は4日、ロシア国境に近い北東部ハルキウ近郊へのミサイル攻撃で4人が死亡し、18人が負傷したと発表した。











