イラン、提示した最新の和平案に「アメリカが回答」と トランプ氏はホルムズ海峡からの船舶誘導を発表

ダークスーツ姿のトランプ氏が、右手の人差し指で前方を指し、マイクに向かって話している。後方には黒い大統領専用車が停まっている

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イランの準政府系メディアは2日、イランがアメリカに提示した最新の和平案について、アメリカ側から回答を受け取ったと報じた。この提案を受け入れない方針とみられるドナルド・トランプ米大統領は3日、アメリカが4日から、ホルムズ海峡で立ち往生する船舶を誘導すると発表した。

イランの最新の和平案に対するアメリカの回答は、パキスタンを通じてイラン側へ届けられた。イラン外務省の報道官は、その内容を現在検討しているところだと述べたと、イランのタスニム通信は伝えた。

アメリカは今のところ、イラン政府に回答したことを正式には認めていない。ただ、トランプ大統領は3日、イスラエルの公共放送KANニュースに対し、イランの最新提案は受け入れられないと話したとされる。

こうした中、トランプ氏は3日、ホルムズ海峡で立ち往生している船舶が海峡の外へ出られるよう、アメリカが4日から誘導を開始すると述べた。

アメリカとイスラエルが2月末に開始した攻撃への報復として、イランは重要な海上輸送路であるホルムズ海峡を事実上封鎖している。アメリカもまた、イランの港を出入りする海上交通の封鎖を実施している。

14項目の和平案

イラン国営メディアによると、イラン政府が提示した14項目からなる和平案は、イラン国境付近からの米部隊撤退や、アメリカによるイラン港湾に対する海上封鎖の解除、イスラエルによるレバノンでの攻撃を含むあらゆる敵対行為の停止を求めている。

また、イランとアメリカが30日以内に合意を結ぶことも求めている。

この和平案は対立する双方に、現在の停戦の延長ではなく、「戦争終結」に注力することを促すものだとも、国営メディアは伝えた。

国営メディアは、外務省のイスマイル・バガイ報道官の話として、「現段階では、核協議は行われていない」と報じている。イランの核計画をめぐる協議は、米政府が特に強く要求している内容。

イランは繰り返し、自分たちは核兵器の保有を目指しているのではなく、自国の核計画は平和目的だと張している。ただし、イランは核兵器を保有していない国としては唯一、兵器級に近い濃縮度までウラン濃縮を行ったことがある。

トランプ氏は2日の時点で、米政府がイランから最新の和平案を受け取ったことを認めていた。

「イランが我々に送ってきたばかりの計画について、間もなく検討するつもりだ。しかし、イランが過去47年にわたり人類と世界に対して行ってきたことへの代償を十分に払っていない以上、その提案が受け入れられるとは思えない」と、トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

同日にフロリダ州パームビーチで記者団の質問に応じた際には、「合意の概念について」は報告を受けているとし、「正確な文言をいま受け取るところだ」と語った。

イラン国内の標的への軍事攻撃が再開される可能性についてBBCが尋ねると、トランプ氏はその「可能性はある」と答えた。

「もし彼ら(イラン)がよくない行為をするなら。悪いことをするなら」そうなる可能性があるとしつつ、「いまは様子を見よう」と続けた。

トランプ氏は、「我々は(イランから)離れない」、「2年後あるいは5年後に誰かがまた(イランに)戻らなくて済むように、我々はやり遂げる」と述べ、紛争から完全に手を引くことには消極的な姿勢を見せた。

イラン準政府系メディアは、イランの最新の和平案について、2カ月間の停戦を想定した9項目からなるアメリカの和平案への回答だと伝えた。

アメリカ、ホルムズ海峡の船舶誘導へ

海上に大型船1隻、小型船5隻が浮かんでいる

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アメリカがイランの最新和平案に回答したとされる中、トランプ氏は3日、ホルムズ海峡で立ち往生する船舶の誘導を開始すると、トゥルース・ソーシャルに投稿した。

「イラン、中東、そしてアメリカのために、諸国の船舶がこの制限された水路から安全に出られるよう誘導し、自由かつ円滑に業務を遂行できるようにすると、各国に伝えた」とトランプ氏は書いた。具体的な国名は記さなかった。

トランプ氏が「プロジェクト・フリーダム(自由計画)」と呼ぶこの措置は、4日に開始されるという。妨害行為を受けた場合には「強力に対処せざるを得ない」とも、トランプ氏は付け加えた。

トランプ氏は投稿の中で、アメリカの代表団がイラン側と「非常に前向きな」協議を行っており、こうした協議が「すべての人にとって非常に前向きなものにつながる可能性がある」とも述べた。

ホルムズ海峡での船舶誘導については、アメリカやイラン、そのほかの中東諸国を代表して行う「人道的措置」だとしたが、具体的な国名は挙げていない。イラン政府との協力体制をどのように管理していくのかについても、詳細は示さなかった。

「いずれにせよ彼らは、安全な航行などができるようになるまでは、その海域には戻らないと言っている。(中略)今回の船舶の移動は、まったく何も悪いことをしていない人々や企業、国々を解放することだけを目的としたものだ」

米中央軍は、「プロジェクト・フリーダム」には人員1万5000人、誘導ミサイル駆逐艦、航空機100機超が投入されると発表した。