中欧で豪雨による洪水が発生、死傷者も ポーランドでは市長が全住民に避難要請

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ヨーロッパ中部で週末にかけて豪雨による洪水が発生し、16日までに広い範囲で影響が出ている。ポーランドの都市では、市長が全住民4万4000人に避難を呼びかける事態となっている。
洪水による死者は、16日時点で少なくとも16人に上った。うち7人はルーマニアで確認された。オーストリア、チェコ、ポーランドでも死傷者が出ている。
ハンガリーの当局は、ドナウ川が週内に氾濫する危険性があるとして、首都ブダペストの川に近い道路を16日夜から通行止めにすると発表した。川沿いの長さ500キロに及ぶ地域には洪水警報が出されている。
ポーランドでは、政府が自然災害の発生を宣言した。同国のニサ市では、市長が住民に高台への移動を要請。堤防の決壊や、近くの湖から滝のように水が流れ込む恐れがあるとした。市長は、「持ち物、自分自身、大切な人を避難させてください。すぐに建物の最上階に移動してください。波は高さ数メートルに達するかもしれません。その場合は街全体が洪水に見舞われることになります」と呼びかけた。
スロヴァキアでは、首都ブラチスラヴァを流れるドナウ川の氾濫で、旧市街地が洪水に見舞われた。現地メディアは、水位が9メートルを超え、さらに上昇する見込みだと報じた。

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これまでで最も多い降雨量が記録されたのは、チェコ北東部の町イェセニクで、12日朝から473ミリの雨が降った。これは、この町の平均の月間降雨量の5倍にあたる。
オーストリアの町ザンクト・ペルテンでは、秋としては最も雨の多かった1950年秋の全雨量よりも多い雨が4日間で降った。同国では、暴風雨に見舞われた地域に、支援目的で軍が派遣された。今月29日には総選挙が予定されているが、ほとんどの政党は選挙活動を休止した。
暴風雨の進路は
オーストリア、チェコ、ドイツ南東部では17日までにさらに雨が降ると見込まれている。
洪水が収まるまでにはまだ数日かかるかもしれないが、今週半ばからは中欧で天候が回復するとみられている。
今回の洪水をもたらしている暴風雨ボリスは今後、南下してイタリアに入り、そこで再び勢力を強めて大雨をもたらすとみられている。最も影響を受ける見通しのエミリア=ロマーニャ州では100~150ミリの降雨が予想されている。
今回の記録的な降雨は、気候変動など多くの要因による。
科学者らによると、暖かい大気は多くの水分を含み、激しい降雨をもたらす。また、海が暖かくなると海水の蒸発量が増え、暴風雨が発生しやすくなる。世界の平均気温が1度上昇するごとに、大気中の水分は約7%増加するという。






