現代自動車系の米工場で拘束の韓国人、釈放へ 韓国がアメリカとの合意発表

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米移民当局がジョージア州にある韓国の現代自動車系工場を強制捜査し、多数の労働者を拘束したことをめぐり、韓国政府は7日、韓国人労働者を釈放することでアメリカ側と合意したと発表した。
韓国大統領府の姜勲植(カン・フンシク)秘書室長は、行政手続きが完了すれば、チャーター機を派遣して拘束者を帰国させる方針だと説明した。
また、今後同様の事態が起きるのを防ぐため、当局はビザ(査証)制度の改善に取り組んでいるとした。
米移民関税捜査局(ICE)は4日、ジョージア州エラベルにある現代自動車系のバッテリー工場に強制捜査に入り、不法就労していたとする475人を拘束した。拘束者のうち300人以上が韓国籍だとされる。同工場は、ジョージア州で最大規模の外国投資プロジェクトの一つ。
韓国とアメリカのメディアはそれぞれ、韓国の趙鉉(チョ・ヒョン)外相が8日に渡米すると報じている。
ホワイトハウスは今回の摘発について、外国からの投資を妨げるものではないと主張している。
ドナルド・トランプ米大統領は5日、ホワイトハウスの大統領執務室で「彼らは不法滞在者で、ICEは職務を遂行しただけだ」と述べていた。
7日には、トランプ政権のトム・ホーマン国境問題担当長官が、現代自動車系の工場でのような大規模摘発が今後も実施される可能性が高いと、米CNN番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で話した。
「我々は今後さらに、作業現場での取り締まり活動を行っていく」と、ホーマン氏は述べた。
「善意で不法滞在者を雇う者などいない。米市民を雇う競合他社を打ち負かすために、低賃金でたくさん働かせられる(不法滞在者を)雇っているだけだ」
ICEが公開した映像には、アジア系労働者が、建物の前で拘束される様子が映っていた。何人かは「現代」や「LG CNS」と記された黄色のベストを着ていた。
ICEは、「短期滞在あるいは観光目的のビザの保有者は、米国内での就労は認められていない」とし、今回の摘発は米国人の雇用を守るために必要な措置だったと付け加えた。
国土安全保障捜査局アトランタ支局のスティーヴ・シュランク特別捜査官は6日に声明で、「今回の作戦は、制度を悪用して我々の労働力を損なう者は責任を負うことになるという、明確なメッセージを発するものだ」と述べた。
韓国はアメリカと緊密な同盟関係にあり、米関税への対策の一環として、数百億ドル規模の製造業投資を約束している。
両国がセンシティブな貿易交渉を進めている最中に、現代自動車系の工場が強制捜査が行われたことに、韓国側では懸念が広がっている。
トランプ氏は、他国からの大規模な投資を積極的に呼び込む一方で、外国企業へのビザ発給を厳格化している。

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韓国からの出張者や請負業者が拘束
現代自動車と合弁企業を運営する韓国電池大手LGエナジーソリューション(LGES)は、拘束されたLG従業員の多くはビザ免除プログラムあるいは各種ビザを取得して出張中だったと説明している。
LGESは現在、アメリカへの出張をほぼ全面的に停止し、現地に派遣中の従業員には直ちに帰国するよう指示したという。
韓国では、今回の捜査は「衝撃」だと広く報じられている。東亜日報は「アメリカでの韓国企業の活動に萎縮(いしゅく)効果をもたらす」恐れがあると警鐘を鳴らした。
強制捜査が行われた工場をめぐっては、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和党)が同州史上最大の経済開発プロジェクトで、1200人の雇用を創出するとして称賛していた。
拘束された人々は、ジョージア州フォークストンにあるICE施設に収容されている。
LGESによると、拘束者のうち47人が同社の従業員で、約250人が合弁工場で働く請負業者だという。










