イギリス騒乱、亡命希望者の宿泊施設前で放火した男に禁錮9年

画像提供, サウスヨークシャー警察
8月にイギリス各地で2週間近く続いた暴動で、200人以上の亡命希望者が滞在していた宿泊施設の外で火をつけた男に6日、禁錮9年の実刑判決が言い渡された。この暴動に関する量刑としては、これまでで最長。
トーマス・バーリー被告(27)は、イングランド北部ロザラム近郊マンヴァーズで8月4日、亡命希望者が滞在する「ホリデー・イン」の外で起きた暴動の最中、燃えていたごみ箱に、木材チップの合板を積み上げているのが目撃されていた。
シェフィールド刑事法院の審理では検察側が、宿泊施設内にいた人々が「焼き殺される」とおびえていたことを明らかにした。
また、ジェレミー・リチャードソン判事は、自分が扱った「数ある事件の中でも最悪の部類に入る」と述べた。
現場に近いスウィントンに住むバーリー被告は、人命を危険にさらす意図での放火、暴力行為、攻撃的武器(警棒)の所持について有罪を認め、刑務所に収監された。

画像提供, Getty Images
法廷で流された監視カメラの映像には、黒いダウンジャケットに赤い覆面姿のバーリー被告が、宿泊施設の外に群衆が集まる中、警官を罵倒する姿が映っていた。
アリシャ・ケイ検察官によると、同被告はその後、宿泊施設の1階の窓を割ったグループに加わった。
さらに、防火扉に押しつけられた産業用サイズのごみ箱の中で発生した火の上に、木材合板を置く姿も目撃されていた。
この日の暴動では、宿泊施設の職員22人が建物内のパニックルームにバリケードを築いた。また、自動火災報知機が避難を呼びかけたにもかかわず、200人以上の亡命希望者が建物内に閉じ込められた。
リチャードソン判事は判決を読み上げる中で、「(この事件は)合法的な市民の抗議とは何の関係もなかった。これは暴徒の支配だった。本件のすべてに、人種差別の毒が影響していた」と語った。
「中にいた人々は死ぬと思った。少なくとも50人の命が危険にさらされた。全員が精神的な傷を負い、けがをしたり殺されたりする危険にさらされた」と判事は言い、「(被告人は)ソーシャルメディア上の悪意ある無知な投稿にそそのかされていた」と述べた。

画像提供, South Yorkshire Police
バーリー被告は、ロザラム近郊の暴動関係者として初めて、生命を危険にさらす意図のある放火の罪を認めた。
ケイ検察官は同被告の行動について、「執拗で、持続的で、人々と財産に対する広範な暴力行為だった」と指摘した。
被告は9年間服役し、さらに5年間は仮釈放扱いになるという。
判決前報告書によると、バーリー被告は保護観察官に「警戒心を抱かせる」ような考え方を持ち、「白人至上主義的な考え方」をうかがわせる発言もあったという。
8月初頭にイギリス各地で相次いだ暴動は、7月末にサウスポートで女の子3人が殺された事件にまつわる偽情報や、極右の主張が引き起こしたとされている。
これまでに数百人が起訴され、9月6日までに約250人が有罪判決を受けて収監されている。
バーリー被告以前にこれまで言い渡された禁錮刑の中では、6年が最長だった。8月3日にイングランド北東部ハルで、ルーマニア人男性3人が乗った乗用車を襲った集団の中にいた、デイヴィッド・ウィルキンソン被告(48)が、禁錮6年を言い渡されている。












