英就労ビザの一部、大学入学レベルの英語力が要件に 来年1月からの新たな移民政策で

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イギリスに来る移民の一部は今後、大学入学レベルを示す一般教育修了上級レベル(Aレベル)相当の英語力を求められることになる。
この変更は、イギリス政府が導入を予定しているより厳格な新規則の下で、2026年1月8日から施行される。一部の大学卒業者や、技能労働者ビザ(査証)、スケールアップ労働者ビザへの申請者に影響が出る。
この新規則は、英政府が今年5月に発表した新たな移民白書における、移民数削減計画の一部でもある。
シャバナ・マムード内相は、「この国に来るのであれば、我々の言語を学び、社会の一員としての役割を果たさなければならない」と述べた。
「この国は常に、この国に来て貢献する人々を歓迎してきた」とマムード内相は述べた。
「しかし、我々の言語を学ばず、この国の社会生活に貢献できないまま移民がここに来ることは、容認できない」
マイク・タップ内務次官は14日に議会で、他のビザカテゴリーや家族帯同者に対する英語要件も、今後導入される見通しだと述べた。
キア・スターマー首相は5月、白書で示された変更について、イギリスの移民制度を「管理され、選別され、公平なものにする」と述べていた。
内務省の推計によると、一連の措置により、イギリスに来る人の数は2029年までに年間10万人減少する可能性があるという。
イギリスの純移民数(入国した移民の数から出国した移民の数を差し引いた数)は、2024年に43万1000人となり、過去最多だった2023年の90万6000人からほぼ半減した。
「複雑な文章の要点理解」、「流ちょうで自然な対話」
ビザ申請者は今後、内務省が認可した機関で、対面でのスピーキング、リスニング、リーディングおよびライティングの試験を受けることになり、その結果が申請手続きの一部として審査される。
技能労働者ビザ、スケールアップ労働者ビザ、ハイポテンシャル・インディビジュアル(HPI)ビザ申請者の英語能力基準は、現在の中等教育修了一般資格(GCSE、高校卒業試験に相当)に相当する「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)レベルB1」から「レベルB2」に引き上げられる。
技能労働者ビザでイギリスに入国するには、政府が認可した雇用主のもとで働き、年間少なくとも4万1700ポンド(約830万円)または職種ごとの「相場賃金」のいずれか高い方を稼ぐ必要がある。
スケールアップ・ビザは、急成長中のイギリス企業で働くために来る移民を対象としている。HPIビザは、過去5年以内に世界のトップ大学のいずれかで学位を取得した移民が申請できる。
英語教育を提供するブリティッシュ・カウンシルによると、レベルB2は、「具体的な話題および抽象的な話題に関する複雑な文章の要点を理解できる」程度。
また、自分の考えを「流ちょうに自然に」表現でき、緊張せずに英語話者と会話ができるとされる。さらに、「幅広い話題について明確かつ詳細な文章を書き(中略)複雑な見解を説明できる」レベルとされる。
移民白書にはこのほか、留学生が課程修了後にイギリス国内で大学卒業者向けの職を探すために滞在できる期間を、現行の2年から1年半に短縮する施策も含まれている。これは2027年1月から施行される予定だ。
また、留学生にはより高い経済力が求められる。ロンドン以外の地域では、その基準が最大9カ月間にわたり月額1171ポンドに引き上げられる。従来は1136ポンドだった。
特定のビザで外国人労働者を雇用する際にイギリスの雇用主が支払う移民技能料も値上がりする。小規模組織や慈善団体では1人あたり年間364ポンドから480ポンドに、中規模および大規模組織では1000ポンドから1320ポンドにそれぞれ引き上げられた。
一方で、HPIビザは取得者枠が拡大される。現在の2000人から4000人に倍増する見通しだが、年間の申請件数には8000件の上限が設けられる。
技術、芸術、学術分野における優秀な人材を対象としたグローバル・タレント・ビザも拡大され、より権威ある賞の受賞者が対象に加えられた。
Aレベルは「イギリス人でも難しい」と専門家
英オックスフォード大学移民観測所のマデレーン・サンプション所長は、政府は「移民に優れた英語力を求めることと、経済的利益をもたらすと見込まれる労働者を雇用主が採用できるようにすること」との間で「トレードオフ」に直面していると述べた。
サンプション氏によると、多くの大学卒業者向けの職種では、すでにAレベル以上の言語能力が求められているという。
新たな言語要件は、「技術的作業や手作業を伴う中程度の技能職において、雇用主が高い言語能力を必ずしも求めていない場合に、より大きな影響を及ぼす」と、サンプション氏は述べた。
移民弁護士のアフサナ・アクタル氏はBBCニュースに対し、「イギリスの多くの人でさえ、英語のAレベルに合格できない可能性がある」なかで、移民にこれほど高い英語力を求めるのは「不公平」だと思うと話した。
「この基準は、イギリス経済に貢献しようとする技能労働者まで排除することになる」、「GCSEレベルで十分だし、移民がここに来て生活し、イングランドおよびイギリスの生活様式に溶け込めば、英語力は必然的に向上する」と、アクタル氏は述べた。








