米下院、公共放送と対外援助の予算撤回法案を可決、大統領が署名へ

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アメリカの連邦議会下院は18日、公共放送および対外援助に対する承認済み予算を「撤回」する法案を可決した。総額90億ドル(約1兆3400億円)の歳出削減を見込んでいる。
採決は18日深夜に行われ、賛成216票、反対213票で可決された。民主党議員は全員が反対票を投じ、共和党からは2人が造反した。
上院はすでにこの法案を可決しているため、今後はドナルド・トランプ大統領の署名を経て成立する見通し。トランプ大統領は可決後、ソーシャルメディアに「これは大きいぞ!!!」とすべて大文字で投稿した。
共和党はこのいわゆる「撤回パッケージ」を、今後続く一連の削減の始まりと位置づけている。マイク・ジョンソン下院議長は可決後、「これは終わりではなく始まりだ」と述べた。
今回の法案可決は、政府支出の削減を目指す共和党およびトランプ大統領にとって新たな勝利となった。
スティーヴ・スカリス下院院内総務は「90億ドルは良いスタートだ」と述べた。
エイズ予防プログラムへの予算は維持
可決されたパッケージには、米公共放送(PBS)と米公共ラジオ(NPR)を含むアメリカ公共放送社(CPB)の大幅な予算削減が含まれている。また、アメリカ最大の国際人道支援機関、国際開発庁(USAID)への支出も削減対象になっている。
ただしその削減額は、当初トランプ氏が提案していたものよりもわずかに少ない。上院が可決した修正案では、エイズ予防の国際プログラム「PEPFAR」に対する4億ドルの予算を維持することが決まり、削減総額は当初の94億ドルから90億ドルに縮小された。
この法案をめぐっては、公共放送や対外援助の削減に慎重な姿勢を示す議員も多く、上下両院での審議が難航する場面もあった。
上院での採決が準備されていた16日には、米アラスカ沖で地震が発生して津波警報が出されたことを受け、住民にはNPRの番組を含む地元ラジオ局を通じて情報を得るよう呼びかけが行われた。
上院による法案可決後、NPRのキャサリン・マーCEOは、「公共ラジオは、地方のコミュニティーを国全体とつなぎ、命を守る緊急放送や気象警報を提供している命綱だ。代替は不可能だ」と述べた。
米メディアによると、すでに決まっている予算を削減する撤回パッケージが連邦議会を通過するのは、過去30年以上で初めてだという。











