「父の生成AI動画を送りつけないで」 俳優ロビン・ウィリアムズ氏の娘、SNSトレンドを批判

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エマ・ソーンダース文化記者、ヘレン・ブシュビー文化記者
アメリカの著名俳優・コメディアン、ロビン・ウィリアムズ氏(2014年死去)の娘ゼルダ・ウィリアムズ氏が7日、人工知能(AI)で生成した父親の動画を送りつけるのをやめるよう、ソーシャルメディアで訴えた。
ゼルダ氏は、「お願いだから、父のAI動画を私に送るのはやめてほしい」と、インスタグラムの自らのストーリーズに投稿した。
「私がそれを見たいと思っているとか、理解できると思っているのなら、やめてほしい。私はそう思っていないし、理解もしない。もし単に私をからかいたいだけなら、もっとひどいものを見てきた。制限して終わりにする」
「でもお願いだから、少しでも良識があるなら、父に対しても私に対しても、いや、すべての人に対して、こんなことはやめてほしい。完全にやめてほしい。ばかげているし、時間とエネルギーの無駄だ。そしてはっきり言っておくが、これは父が望むことではない」
映画監督のゼルダ氏が、父親のAIバージョンについて批判したのは今回が初めてではない。父親のロビン氏は2014年、米カリフォルニア州の自宅で自ら命を絶ち、63歳で死去した。
「グッドモーニング、ベトナム」、「いまを生きる」「ミセス・ダウト」などの映画で知られるロビン氏は当時、うつ病に直面していたとみられている。
ゼルダ氏は2023年、米映画俳優組合-アメリカ・テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)によるAI反対キャンペーンを支持するインスタグラム投稿の中で、父親の声を再現しようとする試みについて「個人的に不快だ」と発言。また、より広範な影響にも言及した。

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ゼルダ氏の今回の投稿は、死去した人物の画像をアニメーション化し、「愛する人をよみがえらせよう」といった字幕と共に共有されるという、ソーシャルメディアのトレンドを受けたもの。
ゼルダ氏は投稿の中で、「実在した人々のレガシーが、『なんとなく似ていて、声もそれっぽいからそれで十分』といった形で矮小(わいしょう)化され、他人がひどいTikTok動画を量産して操るためにそれを使っているのを見るのは、気がおかしくなりそうだ」と訴えた。
「あなたたちは芸術を作っているのではない。人間の人生や芸術・音楽の歴史を材料にして、加工しすぎた気持ち悪いホットドッグを作っている。そしてそれを他人ののどに無理やり押し込んで、『いいね』をもらえることを期待している。気持ち悪い」
そして最後に、「すべてのものへの愛を込めて言う。これを『未来』なんて呼ぶのはやめてほしい。AIは過去を下手にリサイクルして、吐き出して、再消費させているだけだ。あなたたちはコンテンツの『ムカデ人間』を摂取している。そしてその最も最後尾にいる。先頭にいる連中は笑って、笑って、消費して、消費している」と締めくくった。
「ムカデ人間」は、2009年に公開されたホラー映画。
議論を呼び起こすAI俳優
ゼルダ氏の発言は、「AI俳優」ティリー・ノーウッドの公開を受けて不安が広がる中で出た。
ノーウッドは、オランダの俳優でコメディアンのエリーネ・ファン・デル・フェルデン氏によって創作された。報道によると、ファン・デル・フェルデン氏はノーウッドについて、米女優を引き合いに出して、「次のスカーレット・ヨハンソン」にしたいと語ったとされている。
SAG-AFTRAは声明の中で、「ノーウッドは俳優ではなく、無数のプロのパフォーマーの作品を学習したコンピュータープログラムによって生成されたキャラクターだ」と指摘。
「ノーウッドには人生経験も感情もない。これまでのところ、観客は人間の経験から切り離されたコンピューター生成コンテンツに興味を示していないようだ」と付け加えた。
英俳優のエミリー・ブラント氏も最近、ノーウッドについて「本当に、本当に怖い」と述べている。
ブラント氏は、「あれは本当に怖い。お願いだから、エージェンシーはそんなことをしないでほしい。やめてほしい。人間同士のつながりを奪わないでほしい」と、米誌ヴァラエティのポッドキャスト番組で語った。
その後、ファン・デル・フェルデン氏は声明を発表し、「私のAIキャラクターであるティリー・ノーウッドの創作に怒りを示した人々へ。彼女は人間の代替ではなく、創造的な作品、つまり芸術作品だ」と主張した。
「彼女は、これまでの多くの芸術作品と同様に、議論を呼び起こす存在だ。それ自体が創造性の力を示している」








