アンドリュー元王子、金投資の情報もエプスティーン元被告に送ったか BBC調査

画像提供, Getty Images
ショーン・コクラン王室担当編集委員、ジェイムズ・ランデイル外交担当編集委員
英王室のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏が、ジェフリー・エプスティーン元被告に送ったとみられる文書の中に、アフガニスタンにおける金やウランへの投資機会に関する情報が含まれていたことが、BBCの取材でわかった。
BBCが確認したところでは、アンドリュー氏が貿易特使だった当時に英政府当局者が作成し、同氏がエプスティーン元被告に2010年12月に転送した説明資料に、アフガニスタン南部ヘルマンド州での「高価値の商業機会」の一覧が含まれている。
BBCは先に、米司法省が今年1月に公開した資料に含まれる電子メールで、アンドリュー氏がこの文書を「機密」と呼んでいたと報じた。
それらのメールでは、アンドリュー氏のシンガポールや香港、ヴェトナムへの訪問に関する報告も、エプスティーン元被告へ送っていたことも示されている。
BBCはアンドリュー氏にコメントを求めているが、現時点で回答はない。同氏はこれまで、エプスティーン元被告との関係に関して不正行為を一切否定している。また、貿易特使の立場を自身の利益のために利用したとの指摘も退けている。
当時ビジネス担当相だったサー・ヴィンス・ケーブルは、この説明資料の共有を「ひどい行為だ」と表現した。
テムズ・ヴァレー警察はすでに、これらの疑惑をめぐり捜査に着手するだけの根拠があるか検討していると認めている。
同警察は11日に新たな声明を発表し、「公務上の不正行為に関する疑惑について、継続的な評価を主導していることを認める」と述べた。
「この評価の一環として、英検察庁の特別検察官とも協議している。状況に応じて最新情報を提供するが、現段階では、これ以上の詳細に言及するのは不適切だ」
「評価段階では、刑事犯罪が疑われるか、そして本格的な捜査が必要かを判断するために、情報精査が行われる。公務上の不正行為に関する疑惑には特有の複雑性が伴うため、評価は慎重かつ徹底的に行わなければならない」
現地経済の状況やビジネスの機会
アンドリュー氏は2001年から2011年まで、王族の一員としての公務の一環で、貿易特使を務めていた。公開された電子メールでは、同氏がさまざまな通商関連文書を、エプスティーン元被告に共有していた可能性が示されている。
そのうちの一つでは、アンドリュー王子(当時)が東南アジア訪問に関する報告書を送った数秒後に、「海外入札」と呼ばれる二つ目のファイル一式を送信したことが示されている。
このファイルは、多数の圧縮情報を含むことが多い「ZIPファイル」だとみられる。
このアフガニスタンの文書は、アンドリュー氏のためにイギリス政府当局者が特別に作成したもの。アンドリュー氏がヘルマンド州を訪れ、駐留英軍を視察したのと同じ月に作成されており、同州における投資機会について広範に概観する内容となっている。
イギリスは当時、アフガニスタン復興に軍事的・政治的に関与していた。
文書では、現地経済の状況とビジネスの機会を評価し、「高価値の鉱物資源が相当量、存在する」ことや、「低コストで採掘できる可能性」などを示している。
また、大理石、金、イリジウム、ウラン、トリウムといった価値の高い天然資源の存在や、さらに石油やガスの埋蔵可能性も指摘されている。
アンドリュー氏は、エプスティーン元被告に宛てたメモで、これを「ヘルマンド州の州復興チームが作成した機密説明資料」と説明している。
イギリス政府の公式規定では、貿易特使は訪問先に関する機密性の高い商業・政治情報について守秘義務を負うと定められている。

画像提供, US Department of Justice
貿易特使の役割は、イギリスの海外におけるビジネス利益を促進し、投資を後押しすることだ。
匿名を条件に語った外交関係者によると、アンドリュー氏のような特使が、潜在的な投資家と情報を共有し、イギリスの国際ビジネス事業を支援するよう促す行為は正当だった可能性がある。また、そうしたビジネス事業に、アフガニスタンでのものが含まれていたかもしれないという。
アンドリュー氏がエプスティーン元被告に宛てたとみられるメモには、同氏が「これを自分のネットワーク内の他の場所(アブダビを含む)で提供するつもりだ」と書かれている。
「文書共有」というより広い原則について、元通商担当高官の1人は、特使が目にする多くの報告書はかなり「平凡」なものだと説明した一方、アンドリュー氏が「非常に重要な人物との非常に重要な会合」を行い、それが実際の商機が生むこともあったと述べた。
「したがって、文書の中に有益となり得る重要な商業情報が含まれていた可能性は常にあった」と、この元高官は述べた。
「そうした資料は絶対に政府外に送ってはならないものだ。とりわけ、商業目的で利用する可能性のある人物に送ることなど論外だ。これは貿易特使がしてよい行為では決してなく、いかなる形でも正当化できるものではない」
アメリカでの証言求める圧力高まる
昨年10月に剥奪されるまで「王子」、「ヨーク公爵」の称号や爵位を持っていたアンドリュー氏は長年、エプスティーン元被告との過去の友人関係について追及され続けてきた。
今年1月に追加公開された資料には、同氏が着衣であおむけに横たわる女性の隣で両ひざをついたり、腹部に手をあてている写真もあった。
また、アンドリュー氏と、同氏からの性被害を訴えたアメリカ人女性ヴァージニア・ジュフレー氏(故人)が並んで写った2001年の写真について、本物だとうかがわせるメールも明らかになっている。同氏はこれまで、ジュフレー氏とは会ったことがなく、写真は偽造かもしれないと主張していた。
エプスティーン元被告との関係について、アンドリュー氏にアメリカ連邦議会で証言するよう求める圧力が高まるなか、同氏は今月2日、ウィンザー城の敷地内にあった自宅を離れ、ノーフォークにある王室のサンドリンガム邸の敷地内へ移った。
英王室は9日、アンドリュー氏の兄である国王チャールズ3世が「重大な懸念」を抱いているとコメントし、必要となれば警察に協力する姿勢を示した。











