アンドリュー元王子との性行為のため2人目の女性を渡英させたか エプスティーン元被告めぐる疑惑、英警察が調査

スーツ姿のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏

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画像説明, アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏
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チ・チ・イズンドゥ調査担当編集委員、ダニエラ・レルフ王室担当編集委員

イギリスのテムズ・ヴァレー警察は3日、英王室のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏の性行為の相手として、米富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)がイギリスに2人目の女性を派遣した疑惑が浮上しており、調べを進めていると発表した。

BBCが報じたこの疑惑は、同氏が長年住まいとしていた、ウィンザー城の敷地内にある王室の公邸「ロイヤル・ロッジ」で、2010年に起きたとされる。女性はイギリス国籍ではなく、当時20代だった。

この女性の代理人であるブラッド・エドワーズ弁護士は、以前BBCニュースに対し、「ジェフリー・エプスティーンがアンドリュー王子(当時)のもとへ送った女性が少なくとも1人いるという話だ」と述べていた。

BBCは、この疑惑が最初に報じられた際にマウントバッテン=ウィンザー氏にコメントを求めたが、同氏はこれまで応じていない。同氏は以前から一貫して、不正行為を全面的に否定している。

こうしたなか、マウントバッテン=ウィンザー氏が、ロイヤル・ロッジから退去し、ノーフォーク州サンドリンガムの住居に移ったと、BBCは取材でつかんでいる。

英王室の住居内についての告発は初めて

テムズ・ヴァレー警察は声明で、「2010年に性的な目的でウィンザーのとある住所に連れて行かれたとされる女性に関する報道を把握している」と述べた。

「当局は、確立された手続きに沿って情報を精査している」

声明はまた、「当局は、性的犯罪に関するいかなる通報も極めて重く受け止めており、情報を持つ人に名乗り出るよう促している」としている。

「現時点で、これらの疑惑は、弁護士や依頼人のいずれからもテムズ・ヴァレー警察にに通報されていない」

君主制廃止を求める市民団体「リパブリック」は先に、「性行為のために女性1人をイギリスに移送する人身取引に関与した」疑惑について、マウントバッテン=ウィンザー氏を警察に通報したと明らかにした。

エドワーズ弁護士のアメリカの法律事務所は2008年以降、エプスティーン元被告の被害者らを代理している。エドワーズ氏は、この女性がマウントバッテン=ウィンザー氏と一夜を過ごした後、紅茶を出され、バッキンガム宮殿内を案内されたと証言していると語った。

バッキンガム宮殿では見学者の名前を記録しているが、BBCがこの女性の身元を明かさずにこの訪問を裏付けることはできていない。

元被告が関連する事件のサバイバーが、英王室の住居で性的行為があったと主張したのは、この女性が初めて。

マウントバッテン=ウィンザー氏が初めて公に非難されたのは2014年、ヴァージニア・ジュフレー氏(故人)による告発だった。

白い服を着たジュフレー氏が、10代の自分の写真をカメラに見せるように持っている。自身もカメラ方を向いている

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画像説明, 自分の若いころの写真を手にしたジュフレー氏

ジュフレー氏は、エプスティーン元被告と共犯者のギレイン・マックスウェル受刑者(2022年に人身売買罪などで禁錮20年の刑が言い渡され服役中)からの被害について、最も積極的に公に発言していた一人。17歳だった2001年に、2人によってマウントバッテン=ウィンザー氏に売られ、性行為をさせられたと主張した。

マウントバッテン=ウィンザー氏はこれを強く否定している。ジュフレー氏は2021年にアメリカで同氏を相手に民事訴訟を起こした。双方の弁護士は2022年2月、両者が「大枠で和解」したと発表した。ジュフレー氏は昨年、自死した

エプスティーン元被告に関する文書が追加公表されたことで、マウントバッテン=ウィンザー氏と元被告の関係をめぐる批判が強まっている。また、同氏にアメリカで証言するよう求める圧力も高まっている。

1月30日に公開された資料には、同氏が着衣であおむけに横たわる女性の隣で両ひざをついたり、腹部に手をあてている写真もあった。その他の文書にも同氏への言及が繰り返し見られる。

エプスティーン元被告は2008年、未成年者に性行為を勧めたとして有罪判決を受け、性犯罪者として登録された。元被告とマウントバッテン=ウィンザー氏の間のやり取りの一部は、元被告が有罪となった後の時期のものだ。

元被告は2019年、性的人身取引の罪で訴追されたが、裁判を迎える前に同年、拘置施設で死亡した

ロイヤル・ロッジから退去、サンドリガムへ

マウントバッテン=ウィンザー氏は2日夜、長年の住まいだったウィンザー城敷地内のロイヤル・ロッジを退去し、サンドリンガムの王邸敷地内の住まいに移動した。BBCが取材で情報を得た。

マウントバッテン=ウィンザー氏はこれまで、75年の賃貸契約に伴う法的保護によってロイヤル・ロッジに居住し続けていた。

しかしバッキンガム宮殿は昨年10月、マウントバッテン=ウィンザー氏から「王子」などの称号剥奪すると発表した際に、ロイヤル・ロッジの「賃貸契約を解くよう正式な通知が出された」と発表していた。

同氏は最終的に、サンドリンガムの「マーシュ・ファーム」に居住するとみられている。

サンドリンガム邸は、チャールズ国王が私的に所有している。マウントバッテン=ウィンザー氏の新たな住まいにかかる費用は、国王が負担するという。

2日の早い時間には、同氏がロイヤル・ロッジ近くで乗馬する姿が目撃された。また、ウィンザー城を車で離れる際に、通行人に手を振る様子も撮影された。

茶色いジャケットを着て、黒いヘルメットをかぶったマウントバッテン=ウィンザー氏が、森の中で馬に乗っている

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画像説明, ロイヤル・ロッジ近くで乗馬をするマウントバッテン=ウィンザー氏(2日)

王室関係者は昨年10月、BBCに対し、マウントバッテン=ウィンザー氏の転居が年明けまで延期される見通しだと述べた。これは、王室が伝統的にクリスマスを過ごすサンドリンガムに、同氏が同時期にいることの気まずさを避けるためだったという。

サンドリンガム邸は1862年、当時のウェールズ公(後のエドワード7世)が私的な田園の隠れ家として購入した歴史を持つ。

この広大な所有地は、およそ約80平方キロメートルの庭園を有しており、ノッティンガムとほぼ同じ広さだ。