キリンは1種ではなかった、ほかに3種とIUCNの研究報告

青々とした山や草原を背に、キリンが4頭立っている

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画像説明, ウガンダのキデポ渓谷国立公園にいるキリン

ジョージア・ラナード 気候・科学担当編集委員

キリンは世界で最も特徴的で親しまれている動物の一つで、これまで一つの種だと考えられてきた。しかし、国際自然保護連合(IUCN)の科学者らは、世界で最も背の高い哺乳類には、さらに3種がいると明らかになったと発表した。

これまでにも、地球上を歩くこの巨体の動物が4種に分類される可能性を指摘する研究はあった。今回の認定は、それを公式に裏付けるものとなった。

科学者らはどのように判断したのか。それはキリンの未来にとって、何を意味するのか。

研究者らは、さまざまなキリンの頭骨の大きさや頭の形を比較し、遺伝的多様性が十分にあることから、4つのグループを別種として認定できると結論した。

研究報告は、アフリカ大陸に存在する砂漠、河川、谷などの自然地形を検討。こうした地形が、過去にキリンの群れを分断した結果、それぞれが独立して進化した可能性があるという。

新しく認定された種の一つは、「ミナミキリン」だ。

ナミビアのサバンナに立つミナミキリン。乾いた茶色い土の上にいる。奥には低木、背景には山が連なる

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画像説明, ナミビアで撮影されたミナミキリン

ミナミキリンは、南アフリカ、アンゴラ、ボツワナ南部、ナミビア、ジンバブエ南部、ザンビア、モザンビーク南西部に生息している。

他のキリンとの生息域が重ならなかったのは、クネネ川とザンベジ川、そしてコンゴ盆地の熱帯雨林の影響だと考えられている。

2つ目の新種は「アミメキリン」だ。

ケニアの草原に立つアミメキリン。低い丘陵が奥に連なる

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画像説明, ケニアのアミメキリン

このキリンは、ケニア、ソマリア、エチオピアの開けたサバンナや樹木の生えた草原に生息している。

科学者らは、タナ川やエチオピアの山岳地帯や人間の居住地に分断された結果、エチオピア北部の他のキリンと交わらなかったのだろうと考えている。

また、このキリンは移動性が高いため、他のキリンと異種交配した可能性もある。

3つ目の新種は「キタキリン」。

首を交差した2頭のキタキリン。1頭は後方を見て、1頭はカメラを見ている。背後には木々が並ぶ

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画像説明, キタキリン

このキリンは、エチオピア西部、ケニア中部と西部、南スーダン東部、ウガンダに生息している。

研究によると、ナイル川やヴィクトリア湖という地理的条件と、移動パターンによって、他のキリンと交わらなかったとされる。

4つ目の新種は、美しい葉状の模様が特徴的な「マサイキリン」だ。

葉っぱの形の模様が特徴的なマサイキリンが、草木の間を歩いている。背景には、低木が並ぶなだらかな草原が広がっている

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画像説明, ケニアにいるマサイキリン

このキリンは、ケニア、タンザニア、ウガンダに生息しており、ヴィクトリア湖とナイル川によって、キタキリンと分断されている。

その模様は一見すると、別種の指標になりそうだが、研究者らによると、キリンの模様は同じ群れの中でも個体差があり、年齢によっても変化する。

IUCNによると、遺伝的な違いを特定することが、キリンの保全と群の管理にとって「不可欠」だという。

報告書の共同執筆者、マイケル・ブラウン氏は、「キリンの分類をより正確に理解することで、現状をより良く評価し、効果的な保全戦略を実施できるようになる」と話した。

これまでキリンは一つの種として絶滅危惧種に分類されていたが、一部の亜種では個体数が増加していた。

IUCNは今後、4種およびそれぞれの亜種の絶滅危険度を再評価し、新情報をもとにこの壮麗な動物の保護を強化したいとしている。