トランプ氏、シリア制裁の解除を表明 サウジ訪れ1420億ドルの武器取引で合意

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は13日、サウジアラビアを訪れ、アメリカにとってサウジアラビアほど「強力なパートナーはいない」と述べた。また、内戦で荒廃したシリアについて、すべての制裁を解除すると表明し、今こそ同国が「偉大になるチャンス」へ向けて前進する時だとした。トランプ氏はこの日から、2期目初の本格外遊で湾岸諸国を訪問している。
アメリカとサウジアラビアはリヤドで、1420億ドル(約21兆円)相当の兵器取引と、その他の投資について発表した。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、投資は最終的に1兆ドル(約147兆円)規模になりうるとした。
トランプ氏は1期目も、最初の訪問国としてサウジアラビアを2017年に訪れた。今回の外遊では、カタールとアラブ首長国連邦(UAE)も訪問する。

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トランプ氏がサウジアラビアの空港に降り立つと、ムハンマド皇太子が滑走路で出迎えた。
その後、投資に関する集会で演説したトランプ氏は、両国関係を「かつてないほど強力」と称賛。「私たちが始動した瞬間から、アメリカに富が注ぎ込まれており、それは今も続いている」と述べた。
トランプ氏はまた、サウジアラビアの事実上の支配者であるムハンマド皇太子について、「彼のことが好きすぎる」と言い、「だから、私たちは非常に多くを与える」と続けた。
今回の湾岸諸国歴訪は、金銭的な取引が目的。トランプ氏は演説で、商取引と経済発展を通じてこそ、中東は暴力と分裂を超えられると主張した。

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取引重視の姿勢を示すように、トランプ氏は今回の訪問に、何人かのビジネスリーダーも同行させている。電気自動車大手テスラのトップで富豪の盟友イーロン・マスク氏、 生成AI(人工知能)のチャットGPTを開発したオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)、投資大手ブラックロックのラリー・フィンクCEO、半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアンCEOらだ。
一方、サウジアラビアも、豊富な石油資源を基盤とした経済を、AIの活用を増やすことで多様化させたい考えだ。
サウジアラビアのトランプ氏に対する歓迎ぶりは、ジョー・バイデン前米大統領に対するものとは大きく違っている。バイデン氏は在任中、サウジアラビア出身の反体制派ジャーナリストの殺害事件を受けて、同国を「のけ者」国家だと発言。のちに、ガソリン価格下降への協力を求めるため同国を訪れた際には、バイデン氏とムハンマド皇太子はあいさつで拳を突き合わせた。

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トランプ氏はこの日の演説で、サウジアラビアを「アブラハム合意」に参加させるのが「夢」だと述べた。この合意は、イスラエルと湾岸諸国の関係正常化を目的に、トランプ政権が1期目に仲介したもの。
ムハンマド皇太子は、パレスチナ・ガザ地区での戦争が永続的に終結し、パレスチナ国家成立への道筋が明確にならない限り、アブラハム合意には参加しないと明言している。
ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの間の紛争については、トランプ氏は演説で短く言及しただけだった。ガザの人々は「より良い未来」を手に入れる権利があるが、ハマスが「政治的な目的」のために「誘拐、拷問、狙い撃ち」をして妨げていると、トランプ氏は述べた。
対シリア制裁の解除を表明
トランプ氏はまた、シリアの新政権を改善させるため、同国に対する制裁を解除すると発表した。
「ああ、私は皇太子のために何をしているのか」とトランプ氏は言い、サウジアラビアのムハンマド皇太子の求めを受けた措置であることを示唆した。
アメリカのシリアに対する制裁は10年以上続いている。昨年12月に国外に逃れたバッシャール・アル・アサド前大統領の独裁政権に、圧力と経済的な痛手を加えるのを目的としてきた。
シリアはその後、暫定の大統領を選出し、アメリカは外交活動を再開させた。
この日の突然の制裁解除の発表は、シリアにとって大きな変化を意味する。暫定政府のアサド・シバニ外相は、復興の「新たなスタート」だとした。
バラク・オバマ元米大統領の政権で駐シリア大使を務めたロバート・フォード氏は、BBCの取材で、トランプ政権の制裁解除の動きを称賛した。
「私は3カ月前にシリアを訪れたが、13年間の内戦ですっかり荒廃していた。復興と再建が必要で、そのためには外国からの資金が必要だ」
「湾岸諸国や他のアラブ諸国、さまざまな支援機関からの国際的な資金をシリアに流入させるため、制裁の撤廃は絶対に不可欠だ」
トランプ氏は14日、シリアのアフメド・アル・シャラア暫定大統領と、サウジアラビアで会談する予定となっている。
トランプ氏はサウジアラビアから、カタールとUAEに移動する。UAEはすでに、今後10年間で1.4兆ドルをアメリカに投資すると表明している。









