米印首脳が電話協議、対インド関税を18%に引き下げへ 77兆円相当のアメリカ製品購入でも合意

ダークスーツに青いネクタイを着けたトランプ氏が両手を広げて立っている

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画像説明, トランプ米大統領は2日、インドが5000億ドル超相当の米国製品を購入することで合意したと発表した
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アメリカのドナルド・トランプ大統領は2日、インドのナレンドラ・モディ首相と電話で協議し、アメリカがインド製品に課している関税を現在の25%から18%へ引き下げることで合意したと発表した。一方でインドは、5000億ドル超相当のアメリカ製品を購入することで合意したという。

トランプ氏は、インドが貿易障壁をゼロにすることに加えて、ロシア産原油の購入を停止することにも合意したと、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。インドがロシア産原油を購入し続けていることへの懲罰的措置として課していた25%の追加関税は撤廃される見通し。

インドは1月27日、約20年におよぶ交渉の末、欧州連合(EU)と大規模な貿易協定を締結した。それから1週間もたたないうちに、貿易をめぐるアメリカとの合意が発表された。

モディ首相は、アメリカとの合意に至ったことを「大喜びしている」とソーシャルメディアに投稿した。

2日の電話協議では、貿易のほかにロシアとウクライナの戦争についても話し合ったと、トランプ氏は投稿。

「(モディ氏は)ロシア産原油の購入をやめて、もっと多くの原油をアメリカから、そして場合によってはヴェネズエラから購入することに合意した」と書いた。

さらに、モディ氏の要請を受けて関税を引き下げ、インド側の関税および非関税障壁の撤廃を含む「貿易協定」に即座に「合意した」と述べた。

モディ首相は、インドがエネルギーや技術、農産品、石炭製品を含む5000億ドル超相当のアメリカ製品を購入することにも約束したと、トランプ氏は述べた。

米印関係は、アメリカが昨年8月にインド製品に対する関税を50%に引き上げたことで緊張が高まった。この関税には、ロシアとの取引に対するペナルティーとしての税率25%が含まれていた。

ホワイトハウス関係者はBBCに対し、今回の合意の一環として、ロシア産原油に関連する関税が撤廃され、それ以外の関税も18%に引き下げられることになると認めた。

モディ氏は、「14億人のインド国民を代表して、この素晴らしい発表についてトランプ大統領に深く感謝する」とソーシャルメディアに投稿した。

そして、「二つの経済大国かつ世界最大の民主主義国家が連携すれば、両国の国民に利益をもたらし、互恵的な協力のための計り知れない機会を生むことになる」と書いた。

トランプ氏による関税措置は、インドの対米輸出を急激に落ち込ませた。

インド当局は、同様にトランプ氏による関税措置の影響を受ける複数の国との連携を模索してきた。

1月27日にはインドとEUが、インドとEUの27加盟国間で取り引きするほぼすべての品目について税率を引き下げる自由貿易協定(FTA)の締結を発表。アメリカとの緊張が高まる中で、インドとEUは関係強化を模索している。

このFTAによって2032年までに対インド輸出を倍増させるつもりだと、EUは説明している。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は「最大級の協定」だと述べた。

米調査会社パンゲア・ポリシーの創業者テリー・ヘインズ氏は、今回の米印の合意は「貿易面でEUがアメリカに迫っているなどと考えている人たちへの回答」だと指摘した。

米市場はこの合意を「歓迎」するだろうと、ヘインズ氏は予測した。

一方で、アメリカの中小企業800社で構成される団体「ウィー・ペイ・ザ・タリフズ」(関税を払っているのは我々だ、の意味)は、今回の発表を批判。トランプ氏の関税措置導入以前に、アメリカの輸入業者が負担していたインド製品に対する関税は平均2.5%だったと指摘した。

「この『合意』は、1年前に我々が支払っていたものの6倍の税率を固定化するもの」だと、同団体のディレクター、ダン・アンソニー氏は述べた。「これは救済ではなく、長期にわたり継続される、恒久的な増税だ」。

トランプ氏がインドとの合意をトゥルース・ソーシャルで発表すると、2日の米株式市場は小幅に上昇した。

(追加取材:ダニエル・ケイ)