米誌スポーツ・イラストレイテッドで生成AIスキャンダル CEO解任

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米誌「スポーツ・イラストレイテッド」が、人工知能(AI)が生成した記事を掲載したと非難されている。11日には、発行会社のトップが解任された。
スポーツ・イラストレイテッドをめぐっては、偽の著者名と、AI生成画像サイトから取った顔写真が入った記事を数点掲載していたと、テック系ニュースメディアの「フューチャリズム(Futurism)」が1カ月ほど前に報じた。
スポーツ・イラストレイテッドは、関連のコンテンツを削除する一方、報じられた内容は正確ではないと主張。同時に、内部調査を開始した。
同誌を発行する「アリーナ・グループ」は先月の声明で、小売業者や出版社と提携している「アドヴォン・コマース」という電子商取引企業が作ったコンテンツに使用許可を与えていたと説明。
問題とされた記事については、アドヴォン・コマースから、「すべて人間が書いて編集した」ものだと保証されていたと主張した。また、「対盗用、対AIソフトウェア」を常用しているとの説明も受けていたと述べた。
偽名については、ライターのプライバシーを保護を目的に、「特定の記事で」偽名の使用を認めていると説明した。

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こうしたなか、アリーナ・グループは11日、「経営効率と収益の改善」のため、ロス・レヴィンソン最高経営責任者(CEO)を解任したと発表した。
同社では、スポーツ・イラストレイテッドのスキャンダルが発覚して以降、最高執行責任者(COO)ら幹部の粛清が続いている。
しかし、レヴィンソンCEOの後任のマノージ・バーガヴァ氏の広報担当はBBCに、レヴィンソン氏の解任は「AI問題とは完全に無関係」だと説明。企業の継続的な改善策の一環だと主張した。
レヴィンソン氏の解任を発表したアリーナ・グループの短い声明は、スキャンダルには触れていない。
メディアとAI
メディア業界では、少ない経費で生成AIがジャーナリストに取って代わり、誤情報を広めることへの懸念が膨らんでいる。さまざまな報道機関がAIを実験導入したり、AIへの対応について従業員や視聴者向けにガイドラインを発表したりしている。
そうしたなか、一部の報道機関が間違いや虚偽を含んだAIによる記事を掲載し、大きな問題となっている。AIが生成した記事に、その旨を明示していないことが問題視されたメディアもある。
スポーツ・イラストレイテッドをめぐる報道では、同誌の多くのスタッフがソーシャルメディアで、がくぜんとしたと述べている。アリーナ・グループが近年、大規模な人員整理をしてきたことも、そうした反応を強めている。
スポーツ・イラストレイテッドの労働組合は、フューチャリズムによる報道が出た当時にX(旧ツイッター)に発表した声明で、「これらの慣行は、私たちが信じるジャーナリズムのすべてに違反するものだ」と主張。
「私たちは会社に、基本的なジャーナリズムの基準を守るとの約束を求める。それには、コンピューターで書かれた虚偽の人物による記事を掲載しないことも含まれる」とした。






