ノーベル財団、ロシアやベラルーシ、イランの招待撤回 スウェーデンなどの批判受け

The Royal family of Sweden leaves at the end of the Nobel Prize award ceremony at the Concert Hall in Stockholm, Sweden on December 10, 2022.

画像提供, AFP

画像説明, 2022年12月のノーベル賞授賞式に出席したカール16世グスタフ国王とシルヴィア王妃、皇太子夫妻

ノーベル賞を主催するノーベル財団は2日、今年のノーベル賞授賞式ロシアとベラルーシとイランを招待するという方針を、撤回すると発表した。3カ国を招待するという発表に対し、ウクライナやスウェーデンから強硬な反対の声が出ていた。

ノーベル財団は8月31日、「意見の異なる者同士の対話」推進のためにロシア、ベラルーシ、イランの代表を授賞式に招待すると発表した。しかし2日になって、授賞式が開かれるスウェーデン国内から「強い反応が出たことを認識している」として、3カ国への招待を撤回すると発表した。

ウクライナ外務省のオレフ・ニコレンコ報道官は、招待撤回について「人道主義の勝利」だと歓迎した。同政府は、財団がロシアとベラルーシを招待したことを厳しく批判していた。

ロシアとベラルーシは昨年、ウクライナ侵攻を理由に招待されなかった。イラン政府は人権問題と反政府デモ抑圧などを理由に、招待されなかった。

ノーベル賞のうち、物理学、化学、生理学・医学、文学、経済学の5部門は、毎年12月10日にスウェーデンの首都ストックホルムで授賞式が行われ、国王一家が受賞者をたたえるのが慣例となっている平和賞の授賞式は同日、ノルウェーの首都オスロで行われる。

ノーベル財団は招待撤回を発表した2日の声明で、「ノーベル賞が象徴する価値観やメッセージを、できるだけ幅広く届けようとするのは重要で正しいことだ。たとえば昨年の平和賞をロシアとベラルーシの人権活動家や、ロシアの戦争犯罪を記録するウクライナの活動家たちに授与することで、明確な政治的メッセージを示したように」としたうえで、この意図が、3カ国招待に対する反発で「かき消されてしまった」と認めた。

「そのため私たちは、昨年設けた慣例への例外を、今回も繰り返すことにする。つまり、ストックホルムでのノーベル賞授賞式にロシア、ベラルーシ、イランの大使は招かないということだ。オスロでの授賞式にはこれまで通り、すべての大使を招待することになる」と、財団は述べた。

この方針変更を受けて、スウェーデンのウルフ・クリステション首相は財団の「新しい決定を歓迎する」と表明。「これまでたくさんの強い反応があったことから、ロシアの恐ろしい侵略戦争に対して、いかにスウェーデン全体がぶれることなくウクライナの側に立っているかが示された」と述べた。

クリステション首相は1日の時点で、ロシアやベラルーシへの招待に賛成しないとAFP通信に述べ、「スウェーデンとウクライナの両国で大勢が動揺している」との認識を示していた。

オスロでの平和賞授賞式の招待については、ウクライナ外務省のニコレンコ報道官は、「ロシアとベラルーシの大使のオスロへの招待についても、同様の決定がふさわしいと私たちは確信している」と指摘した。

ノーベル財団は、スウェーデンで問題視されているもう一つの点には言及しなかった。同財団は8月31日、「スウェーデンで民主選挙を通じて議席を得ているすべての政党」を授賞式に招待した。その場合、反移民を掲げるスウェーデン民主党も含まれる。

スウェーデン民主党は親ナチ派によって設立され、数十年にわたって主要政党から避けられてきた。しかし昨年の総選挙では、全体の約2割の票を獲得している。

同党のイミー・オーケソン党首は31日、「残念ながらその日は忙しい」とフェイスブックに書いた。

スウェーデンの各政党の党首は、伝統的にノーベル賞の授賞式と晩餐会に招待されている。しかし、オーケソン氏はこれまで招待されていなかった。