米シリコンヴァレー・バンク破綻、預金者を「完全に保護」と米政府

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米政府は12日、米銀行シリコンヴァレー・バンク(SVB)が10日に経営破綻したのを受け、同銀行に預金している個人や企業は13日から全ての預金にアクセスできるようになると発表した。
SVBは10日、規制当局に資産を差し押さえられ、閉鎖された。アメリカの銀行としては、2008年の金融危機以来で最大の経営破綻となった。
米財務省、連邦準備制度理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)は12日に出した共同声明で、預金者は完全に保護されるとしている。
また、納税者は破綻による損失を一切負担する必要がないとしている。
テクノロジー企業への融資で知られるSVBは、金利上昇の影響を受けた資産売却による損失を埋めるために資金調達に奔走していた。そうした中、今回の破綻に至った。
「貯蓄を安全に保つのに必要な措置」
当局の共同声明は、「アメリカの銀行システムは、金融危機後に実施された銀行業界に対するより良いセーフガードを確保するための改革により、回復力のある強固な基盤を維持している」としている。
「これらの改革は今日の措置と相まって、預金者の貯蓄を安全に保つのに必要な措置を講じるという我々の取り組みを示している」
これらの措置は、12日に破綻した、ニューヨーク州に拠点を置く米シグネチャー・バンクにも適用される。
信頼回復にむけた取り組みの一環として、規制当局は銀行が緊急時の準備金を利用できるようにする、新たな方法を明らかにした。
FRBは銀行が危機的状況に陥った際に、FRBからの借り入れを容易にする、新たな資金供給プログラムを通じて支援を提供すると発表した。
ジョー・バイデン米大統領は、米国民は「必要なときに銀行預金がそこに残っているという確信」を持てるようになると述べた。
金利上昇で経営圧迫
SVBはハイテク分野の起業初期のビジネスにとって重要な貸し手ととらえられていた。昨年に株式市場に上場した、ベンチャーキャピタルから支援を受けたテクノロジー企業やヘルスケア企業の約半数がSVBを提携銀行としていた。
SVBは1983年にカリフォルニア州で創業。この10年で急速に事業を拡大していた。
しかし、金利上昇により、新興企業が資金を調達するのが難しくなり、経営が圧迫されるようになった。
シリコンヴァレーでは破綻の余波が広範囲に及んでいる。多くの企業が、この破綻が自社の財務にどのような影響を及ぼすか検討している。
英調査会社キャピタル・エコノミクスの北米担当主任エコノミスト、ポール・アシュワース氏は、米当局は「(こうした破綻が)伝染するのを防ぐために積極的に行動に出た」と指摘した。
「このデジタル時代には一瞬で、より多くの銀行が破綻する可能性がある。そうした伝染が拡大するのを阻止するには、合理的に考えれば十分な措置のはずだ。しかし、こうした伝染には常に非合理的な恐怖が伴うため、この措置がうまくいく保証はないということを強調しておく」
こうした中、英決済機関バンク・オブ・ロンドンは英財務相に対し、SVBの英法人を買収するための正式な提案を提出したという。
英政府はSVBの破綻で影響を受けた同国のテクノロジー企業を支援するための計画を進めている。





