インド税当局、BBCオフィスの捜索を終了 スタッフは長時間の尋問受ける

A police officer standing guard outside the BBC office in New Delhi on Wednesday

画像提供, EPA

画像説明, インドのBBC支局前に立つ警察官(15日、ニューデリー)

インドの税当局は17日、ニューデリーとムンバイにあるBBCのオフィスの家宅捜索を終了した。

当局は14日、ニューデリーとムンバイにあるBBCのオフィスに入った。BBCスタッフは長時間尋問を受けたり、事務所で寝泊まりするよう指示を受けた。

BBCは「我々は当局への協力を続け、できるだけ速やかに問題が解決されることを期待している」としている。

また、「公明正大な報道を継続していく」とした。

BBCは1月に、インドのナレンドラ・モディ首相について批判的なドキュメンタリーをイギリスで放送。モディ政権はこの番組の内容を批判し、国内での上映を禁止したり、オンラインで見られないようにしている。

BBCは家宅捜索終了後の声明で、「私たちは当局への協力を続け、できるだけ速やかに問題が解決されることを期待している」と述べた。

また「私たちはスタッフをサポートしている。スタッフの一部は長時間にわたる尋問を受けたり、オフィスで夜を明かすよう求められた。スタッフの福祉確保が私たちの優先事項だ」と説明した。

「業務は通常体制に戻っている。BBCはインドやそのほかの地域の視聴者にサービスを提供することに、引き続き尽力していく」

「BBCは信頼できる独立したメディア組織であり、同僚やジャーナリストを支持し、公明正大な報道を継続していく」

モディ政権が問題視するBBCドキュメンタリーとは

BBCは今年1月17日と24日の2回にわたり、ドキュメンタリー「India: The Modi Question(インド:モディ問題)」をイギリスで放送した。インドでは放送されなかったが、野党指導者や政府に批判的な人々は、ソーシャルメディアでリンクを共有した。

ドキュメンタリーは、2002年に西部グジャラート州で発生した宗教暴動とモディ首相の関係を取り上げたもの。イスラム教徒を中心に計1000人以上が死亡した暴動が起きた当時、モディ氏がグジャラートの州首相だった。

インド政府はこのドキュメンタリーについて、「植民地時代の発想」にもとづくもので、「信用性のない特定の見方を押し付けようとするプロパガンダ作品」だと批判。緊急事態法を発動し、ユーチューブやツイッターで見られないようにしている。

超党派の報道関係者団体「インド編集者ギルド」は今週初め、BBCに対する家宅捜索について「深く懸念する」と声明を出し、「政府の方針や国の主流派に批判的な報道機関を威圧し、嫌がらせをするため、政府機関を使うという以前からの流れの一環」だと批判した。

アムネスティ・インターナショナル・インドの理事会は、「BBCが与党・インド人民党(BJP)を批判的に報道したことを理由に、BBCに嫌がらせをして威圧しようとしている」と政府当局を批判。「政府批判を黙らせるため、所得税局の広範すぎる権力を(政府が)繰り返し、武器として使っている」と指摘した。

モディ首相がBJPのガウラヴ・バティア広報担当は先に、BBCを「世界で最も腐敗した組織」と呼び、今回の税務当局による家宅捜索は合法で、政府とは無関係だと述べた。

「インドはあらゆる組織に機会を与える国だ。毒をまき散らさない限りは」とも、バティア氏は述べた。