世界銀行のマルパス総裁、退任へ 気候変動否定派との評価

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世界銀行のデイヴィッド・マルパス総裁が、6月に退任することになった。15日にソーシャルメディアで自ら表明した。任期を1年近く残して世銀を去る。
マルパス氏は、退任の具体的な理由は示さなかった。
アメリカのドナルド・トランプ政権の財務次官を経て、2019年4月にトランプ大統領(当時)から指名され、世銀総裁に就任した。任期は5年だった。
世銀の出資比率は、アメリカが世界で最も高い。第2次世界大戦後のヨーロッパ再建を支援するため1940年代に設立されて以来、世銀の総裁はアメリカ人が務めている。
マルパス氏は、気候変動の否定論者だと批判されてきた。昨年も、化石燃料が気候変動を進行させているかは分からないと発言。ホワイトハウスから叱責(しっせき)を受けた。のちに、この発言について謝罪した。
マルパス総裁の声明
マルパス氏はリンクトインで公開した声明で、毎年、途上国向けの数十億ドル規模の融資を行っている世銀での実績を誇りに思うと語った。
また、自らのリーダーシップのもと、「気候変動対応投融資を含む」融資が記録的水準に達したと付け加えた。
そして、「今年度末までに世界銀行は、グループのミッションに持続可能性をより明確に掲げ、ミッションと資源を整合させ、途上国の人々に対する世銀の影響力を高める進化をスタートする態勢が整うだろう」と述べた。
気候変動に否定的との批判
マルパス氏は国際機関に対して懐疑的だった。そのため、世銀のリーダーとしてふさわしいか、賛否が分かれていた。
昨年9月のイベントでは、アル・ゴア元米副大統領が同氏の交代を要求。世銀について、気候問題に取り組むための資金調達への努力が不十分だとし、「気候変動否定論者をトップに置いておくのはおかしい」と述べた。
この発言についてコメントを求められると、マルパス氏は自己弁護した。一方で、化石燃料が気候変動を引き起こしているとは言わなかった。
その後の米CNNのインタビューでは、問いかけへの回答や理解が良くなかったと説明。人為的な排出が「明らかに」関係していると述べた。
世銀や他の開発銀行の改革を強く求めているアメリカのジャネット・イエレン財務長官は声明で、マルパス氏の功績に感謝するとともに、この論争に言及。
「私たちは皆、気候変動との闘いで集団としての野心を高め続けなければならないが、マルパス総裁の在任中、世界銀行はこの分野で重要な前進をした」とした。
イエレン氏はまた、アメリカが近く、世銀の新総裁の候補を出すと述べた。









