中絶禁止の米フロリダ州法、裁判所が差し止め 他州に続き

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アメリカ・フロリダ州の判事は6月30日、妊娠15週目以降の人工中絶を禁止する州法を差し止める判断を示した。中絶の選択を尊重する「プロ・チョイス」派にとって「勝利」となった。
アメリカでは、中絶を憲法上の権利だとした1973年の「ロー対ウェイド」判決が連邦最高裁で覆されたことを受け、さまざまな州で法廷闘争が起こっている。ルイジアナ、ケンタッキー、ユタの各州では、最高裁判断を受けて自動的に施行された中絶禁止の州法が、州裁判所によってすでに差し止められている。
フロリダ州で議論の的となってきた州法は、ロン・デサンティス知事が4月に署名し、7月1日に施行の予定だった。レイプや近親相姦での妊娠も、中絶禁止の例外にはしていない。
プロ・チョイス派の団体と州内のクリニックは共同で6月初め、この州法の差し止めなどを求めて提訴した。同州レオン郡巡回裁判所のジョン・クーパー判事はこの日、一時的な差し止めを認めた。
フロリダ州は40年以上にわたり、州憲法のプライバシーに関する修正条項によって、中絶の権利を保護してきた。クーパー判事は今回、中絶禁止の州法について、そうしたプライバシー保護に違反するものだと判断した。
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ただ、判事が命令書に署名するまで、差し止め命令は効力を持たない。判事はすぐには署名しないと述べており、問題の州法は30日の真夜中に施行される。
敗訴したフロリダ州は、州最高裁に上告する見通し。
デサンティス知事は、最近の最高裁判決を称賛しており、州として中絶へのアクセスを制限していくと宣言している。
「民意を覆すもの」
今回の訴訟では、原告側は中絶について、「政府の介入に対して最も強力に保護されるべき基本的な権利」だと、州民はみなしていると主張。問題の州法は、「フロリダ州民の意思を覆そうとする大胆不敵な試み」だとした。
フロリダ州のデサンティス知事は、4月に州法案を承認した際、「心臓が動き、体を動かし、味を感じ、目で見て、痛みを感じられる子宮内の赤ちゃんを守る」ものだと述べていた。
この州法は、フロリダ州カトリック司教協議会など、州内の中絶反対派から広く称賛されている。
アメリカの州で3番目に人口が多いフロリダ州は、中絶の権利を州憲法で保護している11州の1つ。
米疾病対策センター(CDC)によると、フロリダ州の中絶率はイリノイ州、ニューヨーク州に次いで高い。世論調査でも、州民の56%が中絶は合法であるべきと考えている。米南東部の州で中絶賛成派が多数を占めるのは、フロリダ州だけだ。








