米ルイジアナ州の判事、中絶禁止の州法に「待った」

Protester in Florida

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画像説明, 米フロリダ州のデモで連邦最高裁の判断に抗議する女性

ルイジアナ州の判事は27日、人工妊娠中絶を禁止する州法の施行を一時的に停止する判決を下した。

アメリカの連邦最高裁は24日、アメリカで長年、女性の中絶権を合憲としてきた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆した。今後、中絶の是非については州レベルで立法や司法判断が行われる。

ルイジアナ州では2006年、連邦最高裁が「ロー対ウェイド」判決を覆せば自動的に中絶を禁止する、いわゆるトリガー法が成立していた。同州のトリガー法は、強姦や近親相姦による妊娠を含む、すべての中絶を禁止している。

アメリカではルイジアナ州を含む13州でこうしたトリガー法が成立しており、24日の判断を受けて即時施行されているが、多くの州で法廷闘争に発展している。ユタ州でも、裁判所によってトリガー法の施行が阻止された。

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オーリンズ地区民事裁判所のロビンソン・ジャルーソ判事は、ルイジアナ州での中絶禁止法の施行を一時的に停止し、7月8日に審理を開くとの判断を示した。

同州では27日、地元の中絶クリニックなどを代表し、リプロダクティブ・ライツ(生殖に関する権利)センターが訴状を提出。トリガー法による中絶禁止は、「恣意的な法執行を防ぐために憲法上求められる保護措置を欠いて」おり、「そのあいまいさから無効になる」と主張した。

ルイジアナ州に3件だけ残る中絶クリニックは、ジャルーソ判事の判断を受け、中絶手術を再開すると発表した。

同州のジョン・ベル・エドワーズ知事(民主党)は先週、自分は「堂々とプロ・ライフ(生命支持=中絶反対の意味)で、中絶には反対している」と言明した上で、共和党員も含め、全員が同じ意見ではないことは承知していると述べていた。

他州の動向は

トリガー法の施行を阻止しようとする訴訟は、ユタ州とオハイオ州でも始まっている。

ユタ州では、「プロ・チョイス(選択支持=中絶権支持)」団体として中絶手術を提供してきた「プランド・ペアレントフッド」と権利擁護団体「アメリカ自由人権協会(ACLU)」の要請を受け、トリガー法の施行が14日間停止された。同州では7月11日に審理が行われる予定。

一方フロリダ州では、中絶権利団体やクリニックの連合が妊娠15週以降の中絶を禁止する法律を阻止するよう要請。審理が始まっている。

フロリダ州はアメリカで3番目に人口が多く、40年以上にわたり、州憲法のプライバシーに関する修正条項で中絶権を保護してきた。

訴状では、州民は「中絶について、政府の干渉から最も強く保護されるべき基本的権利だ」と考えていると主張。州のトリガー法が「フロリダ州の人々の意思を無視しようとする厚かましい試み」だと指摘した。

妊娠15週以降の中絶を禁止する法律は、最高裁の判断を受けてミシシッピ州で施行されたものをモデルとしている。

一方、同州のロン・デサンティス知事(共和党)は、最高裁の判断を歓迎し、中絶処置を受ける機会を制限するために尽力すると述べている。

アメリカでは中絶権の是非が長く議論されてきたが、米ピュー研究所が今月発表した調査結果によると、アメリカの成人の61%が中絶は常にあるいはほとんどの場合、合法であるべきだと答えている。常にほとんどの場合、違法であるべきだと答えたのは37%だった。