戦争犯罪裁判のロシア兵、罪状を認める ウクライナで民間人殺害
サラ・レインズフォード、BBCニュース、キーウ

画像提供, Reuters
ウクライナで戦争が始まってから初となる戦争犯罪裁判で、21歳のロシア兵の被告が18日、非武装の民間人を殺害した罪について起訴内容を認めた。
ヴァディム・シシマリン被告は、侵攻開始から数日後に62歳の男性オレクサンドル・シェリポフさんを射殺したことを認めた。終身刑となる可能性がある。
被告は手錠をかけられ、重装備の警備員に挟まれて、キーウの狭い法廷に姿を現した。緊張した様子で、頭はずっと下げたままだった。
殺された男性の妻カテリナさんは、法廷で被告から2メートルしか離れていない席に座っていた。
彼女は、被告が法廷に現れると涙をぬぐい、両手を合わせて座った。検察官は、シェリポフさんが頭を撃たれた瞬間を描写するなど、罪状を陳述した。
裁判官が「罪を認めるか」と聞くと、被告は「はい」と答えた。
「全面的にか」との裁判官の問いにも、被告は静かに「はい」と返答した。被告は、金属とガラスでできたグレーの囲いの中で座り、ガラス越しに質問に答えた。
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検察によると、シシマリン被告は戦車師団の部隊を指揮していたところ、車列への攻撃を受けた。
被告と他の兵士4人は車を盗み、チュパヒフカ付近へと移動。そこで、自転車に乗ったシェリポフさんと遭遇した。
被告は、民間人のシェリポフさんを殺害するよう命じられ、カラシニコフ突撃銃で実行したという。
ロシア政府は先に、この事件については連絡を受けていないとしている。
被告に対する被害者の妻の思い
この日の裁判は、シシマリン被告が殺害の罪を認めたのをシェリポフさんの妻が初めて確認した後、ほどなくして審理を終えた。19日に、より大きな法廷で再開される。
シェリポフさんの妻は裁判所を立ち去る前に、BBCに感想を語った。
「(シシマリン被告)のことをとても気の毒に思う」と彼女は言った。「でも、あのような犯罪については、許すことはできない」。
ウクライナ当局はこれまで、ロシアによる戦争犯罪の可能性がある事案を1万件以上指摘している。
イリナ・ウェネディクトワ検事総長は、「この最初の裁判は、すべての加害者と、ウクライナでの犯罪の遂行を命令または支援したすべての人物について、責任を逃れることはできないという明確なシグナルを送っている」とツイートした。
ロシアは、同国軍が民間人を標的にしたことはないと主張している。だが捜査当局は、ハーグの国際刑事裁判所(ICC)への提訴に向け、戦争犯罪の可能性を示す証拠を集めている。
ICCは、42人の捜査官、科学捜査の専門家、支援スタッフからなるチームを、ウクライナに派遣している。一方、ウクライナも将来的な訴追を可能にするため、証拠保全のためのチームを創設している。








