マレーシアの大規模洪水で14人死亡、数万人が避難 「政府の対応の遅れ」に批判

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マレー半島中央部で17日から降り続いた大雨で、マレーシアで過去数十年で最悪規模の洪水が発生し、少なくとも14人が死亡、数万人が避難を余儀なくされた。
マレーシアの8つの州は、3日間続いた豪雨の影響で深刻な洪水に見舞われ、複数の町や村の一部が冠水した。
マレーシア政府は対応に遅れがあったとして、激しい批判にさらされている。
複数の人が行方不明になっているとの報告があり、今後死者数が急増することが懸念されている。
20日の時点で、推定5万1000人が自宅から避難した。避難者のほとんどはマレーシア東海岸に位置するパハン州の人々。同州は最も大きな被害を受けた州のひとつ。
首都クアラルンプールがある、裕福で人口密度の高いセランゴール州も深刻な被害を受けた。
オンライン上で拡散された画像では、クアラルンプールの繁華街の一部が冠水しているのが確認できる。1971年の大洪水以来の水位に達したとみられる。
ある人は、1926年と1971年にクアラルンプールで発生した大洪水の写真と今回の被害の写真を投稿。ダタラン・ムルデカ(独立広場)やクアラルンプール最古のモスク、マスジット・ジャメ周辺を写したものだという。

仮設避難所に数千人が集まっていることから、当局は新型コロナウイルス感染症COVID-19患者が急増する可能性があると警戒している。
週末にかけて降り続いた雨は20日までにはほぼ止み、水が引いたことから、被害を受けた自宅に戻った住民もいた。
洪水被害を受けたサズアトゥ・レムリーさんは、「洋服と、子どもの出生証明書などの重要書類しか持ち出さなかった」と語った。「私たちが持ってきたのはこれだけです」。
「災害対応の遅れ」に怒り
マレーシア政府の災害対応への国民の怒りも表面化している。当局からの警告はほとんどなく、救助活動も遅すぎたと、多くの人が訴えている。
「対応の遅さに激怒した。市民防衛隊は今朝(20日朝)になってやっと到着した。(洪水が悪化してから)3日後だ。現地で人が死んでいるというのに、今になってナットとボルトでボートを組み立てている始末だ」と、民間の救助隊員は 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに語った。

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マレーシアの2大政党は、セランゴール州で洪水の水位が上昇する中、年次総会を開いていた。
野党・民主行動党のチャールズ・サンティアゴ議員は、連邦政府の対応は「極めて不十分」で「弱い」ものだと批判した。同議員は、最も大きな被害を受けた州のひとつ、セランゴール州クランの出身。ツイッターではハッシュタグ「kerajaanpembunuh」(殺人政府という意味)が広まった。

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住民らが救助用具を調達、救助を支援
一方で、市民が結集して救助活動を支援する様子を発信したり、カヤックやライフジャケットなどの装備を購入する人、避難を余儀なくされた人のために自宅を避難場所として提供する人などのソーシャルメディアアカウントも登場した。
「私と一緒に活動していた人とはツイッターで知り合った。みんな人を助けたいと、気持ちは一緒だった」と、アディブ・ハリスさんは地元紙「ザ・スター」に語った。ハリスさんは、家の中に閉じ込められた人を救出するためにカヤックなどの救助用具を購入したという。
「身動きが取れなくなっていた約200人を、みんなで力を合わせて救出した」
マレーシアの一部地域は、特に11月から2月までのモンスーン(季節風)の季節に、洪水被害に見舞われやすい。







