スーダン軍、解任したハムドク首相を復職させる
スーダンで、先月起きた軍によるクーデターで政権の座を追われたアブダラ・ハムドク首相が21日、復権した。
ハムドク首相はクーデター後、自宅軟禁に置かれていた。国内では軍に対する大規模な抗議デモが続いていた。
ハムドク首相は21日、クーデターを率いたアブドゥル・ファッターハ・ブルハーン将軍との間で、新たな権限分担の合意書に署名を交わした。その模様はテレビで放送された。
一方、2年前にハムドク氏を首相に指名した民主化勢力は、この合意を認めないとした。
自由変革同盟(FFC)の広報担当者はBBCに、合意は銃を頭に突き付けられた状態で交わされたと主張。「この国の未来は現場の若者たちが決める」と述べた。

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合意では、ハムドク首相が次期総選挙まで文民の内閣を率いる。ただ、新政府がどれだけの権限をもつのかは、軍の検討事項となっているため不明だ。
ハムドク首相は中東テレビ局アルジャジーラに、今回の合意によって、自由に組閣し、2023年7月までに総選挙を実施できると話した。また、収監されている政治犯が解放されるとした。
軍は国内外から、民主政治を復活させるよう強い圧力を受けてきた。世界銀行はスーダンへの支援を凍結。アフリカ連合(AU)はスーダンの参加資格を停止した。
アメリカ、イギリス、欧州連合(EU)などの欧米勢力は、ハムドク首相の復権を歓迎。政治犯として拘束されている人々の解放を求めた。

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首都ハルツームでは、大統領府に向けて行進していた抗議デモの参加者らに、治安部隊が催涙ガスを発射した。デモ参加者らは、軍に対して政治への関与をやめるよう求めていた。
先月25日に軍が緊急事態を宣言し、文民による政権を解散させて以降、大規模な抗議デモが続いている。これまでに少なくとも40人がデモで死亡している。
ハムドク首相は、暴力を止めるために今回の合意に応じたと述べた。
ブルハーン将軍は内戦を防ぐために行動したとしている。政治団体が民間人と治安部隊の対立をあおっているため、内戦の恐れがあったとしている。
スーダンでは2年前、長期にわたって政権を握ってきたオマル・バシル大統領が失脚。以来、民主化指導者らと軍指導者らが合意に基づき共同統治してきた。
その合意では、ブルハーン将軍が国家元首を辞任し、今月、文民に地位を譲ることになっていた。
BBCのメアリー・ハーパー・アフリカ編集長は、今回の合意を軍が誠実に履行するか疑問だとした。
スーダンで不安定な状況が続くことで、「アフリカの角」と呼ばれる地域の情勢が一段と悪化することが懸念されている。










