石油大手、米下院で厳しい質問浴びる 気候変動めぐり初の宣誓証言

画像提供, Getty Images
石油大手各社の代表が28日、米下院公聴会に出席し、気候変動について世間に誤った情報を与えたのではないかなどとする、厳しい質問に直面した。石油大手のトップが公の場で宣誓証言をするのは、これが初めて。
国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の開幕を目前に、米エネルギー大手などによる過去数十年間のロビー活動や公式声明が検証された。
下院の行政監視・改革委員会で開かれた公聴会は6時間にわたり、激しいやりとりもあった。民主党は歴史的な出来事だったと評価した。
BPやシェルといった石油大手は、各社の利益の源となっている化石燃料が及ぼす環境への影響について厳しい質問を受けた。
<関連記事>
キャロリン・B・マローニー委員長(民主党)は冒頭、「地球が気候大災害の間際まで来ていることに関して、石油大手は中心的な役割を果たしたが、あまりに長い間、責任を逃れてきた」と発言。
エクソンモービルの最高経営責任者(CEO)に対する質問の中で、過去の経営陣の公的発言と、同社の企業活動が気候に及ぼしてきた影響は「明確に衝突」すると述べた。
マローニー委員長はまた、各社について、委員会が提出を求めた重要な内部文書を出していないと非難した。委員会は各社に対し、PR会社などの企業や「影のグループ」に対する支出や、気候危機をめぐる自社の役割についての幹部の発言などの記録を求めていた。
マローニー委員長は、各社が「先延ばしと妨害」という、気候問題に対して長年使ってきた戦略を用いて、記録の提出を拒んでいると批判。召喚状を発行して、各社に提出させる考えだとした。
たばこ業界と重ねて
アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員(民主党)は、「私たちの一部は実際、あなた方が火を放った未来で生きなくてはならない」と発言した。
民主党議員らは終始、今回の石油大手に対する調査を、1990年代のたばこ大手に対する調査に重ね合わせようとした。たばこ大手をめぐる調査は、自社製品の中毒性や有害性に関する証拠を隠そうとしていたと結論づけた。
委員会が27日に出した声明では、石油業界は1977年から地球温暖化への影響について認識していたと説明。しかし、「数十年にわたって、自社製品の害悪について否定と疑いを広めてきた」とした。

画像提供, Pool
一方、エクソンモービル、シェヴロン、BP、シェルの代表らは、クリーンエネルギーへの移行に努めていると繰り返し強調。誤情報を与えて世間を欺いたことはないと主張した。
シェヴロンのマイケル・ワースCEOは、同社が世間に対して意図的にうそをついたことはないと訴えた。
「気候変動に対する私たちの見方は時間とともに変わってきているが、シェヴロンが誤った情報の拡散に努め、複雑な問題に関して世間を欺いたというのは、単純に間違いだ」
エクソンのダレン・ウッズCEOは、会社として長年、気候変動は現実のものと認識してきたと説明。しかし「簡単な答えはない」とし、「石油とガスは当分、必要であり続ける」と述べた。

画像提供, Pool
共和党議員らは、民主党議員らによる質問を強く批判した。
アリゾナ州のアンディ・ビッグス議員は各社CEOに向かい、「あなた方がここに連れてこられたのは、民主党が皆さんをボコボコにしたいからだ」と述べた。
ジェイムズ・コーマー議員は公聴会について、民主党がテレビのゴールデンタイムで視聴者にアピールしたいから開かれているに過ぎないと批判。委員会はむしろ「アメリカ国民にとって喫緊の課題」に注力すべきだとした。
共和党側はこの日の公聴会に、民主党のジョー・バイデン政権が石油パイプラインの建設を取り消したことで仕事を失った溶接工を招致。生活苦の状況を証言させた。
マローニー委員長は公聴会の終わりに、「子どもたちのために地球を救うためにはできる限りのことをする」と宣言。調査を継続する必要があると述べた。











