世界最古の豪熱帯雨林「デインツリー」、先住民に返還

画像提供, Getty Images
オーストラリアにある世界最古の熱帯雨林「デインツリー」が29日、歴史的な協定によって先住民に返還された。
ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産に登録されているデインツリーは、1億8000万年前から存在し、古くから先住民が住んでいた。
今後は先住民イースタン・クク・ヤランジの人々が、クイーンズランド州政府と共に、この国立公園を管理する。
デインツリーはグレート・バリア・リーフと接しており、オーストラリアでも随一の観光スポットだ。
古代から続く生態系と、森の眺望や河川、滝、渓谷、白い砂浜などで有名。
協定にはデインツリーのほか、シダー・ベイ(ガルバ・ブラル)、ブラック・マウンテン(カルカジャカ)、ホープ諸島といった国立公園も含まれており、全体で1600平方キロメートルを対象とした。
29日に行われたイースタン・クク・ヤランジの人々への返還式で、クイーンズランド州政府は「世界最古の生きた文化のひとつ」だと言及した。
また、オーストラリアのミーガン・スカンロン環境相は声明で、「この協定により、イースタン・クク・ヤランジの人々の『国』の所有と管理、文化保護、訪問者への共有権が認められた。彼らは観光業界の指導者になった」と述べた。

画像提供, Getty Images
現地メディアによると、協定締結には4年の歳月がかかった。
交渉人のクリッシー・グラント氏は、イースタン・クク・ヤランジの人々について、最終的にはデインツリーなど熱帯雨林地域を単独で管理することを望んでいると話している。
「熱帯雨林のバマ(人々)は、昔からずっとこの場所で暮らしている。そのこと自体が、世界遺産のなかでも非常に特徴的だ」と、グラント氏は地元紙ガーディアン・オーストラリアに語った。
協定には、デインツリーのモスマン渓谷とトリビュレーション岬も含まれている。
進化の様子を残す場所
デインツリーの地域は1988年、州政府による伐採や農地開発に対する反対運動の後、世界遺産に登録された。
ユネスコは、3000種以上の植物や107種の哺乳類、368種の鳥類、113種の爬虫類が生息するこの地域が、豊かで特徴的な生物多様性を持っているとして「非常に重要」だと認めた。
デインツリーはまた、オーストラリア大陸で最大の熱帯雨林が残る地域としても知られる。
1億~5000万年前、オーストラリアと南極の一部が分離する前にはゴンドワナ大陸の森の一部で、現在もその残存種が生息しているという。
ユネスコはこうしたことから、デインツリーは「オーストラリアの動物相と植物相における進化の様子と生態学的記録を残す無類の場所」と位置付けている。
「その植物相は、原始時代の生物群を最も今に残し、ゴンドワナ大陸の森に最も近いものだ」






