ハリケーン「アイダ」、米ルイジアナ州で1人死亡 100万戸超の停電復旧に数週間

Vehicles damaged by collapsed building in New Orleans as Hurricane Ida makes landfall.

画像提供, Getty Images

画像説明, ハリケーン「アイダ」が上陸した米ルイジアナ州ニューオーリンズでは、建物や車両に大きな被害が出ている

大型ハリケーン「アイダ」が29日、米南部ルイジアナ州に上陸し、バトンルージュ地域では1人が死亡した。100万戸以上で停電が発生している。当局が被害状況を確認する間、数週間にわたり停電が続く可能性がある。

「アイダ」は先週末にメキシコ湾を進みながら勢力を強め、一時、5段階中2番目に強い「カテゴリー4」まで発達。風速時速150マイル(約240キロメートル)でルイジアナ州ニューオーリンズ南部に上陸した。アメリカ本土に上陸したハリケーンとしては史上5番目の威力。

場所によっては高潮が高さ約5メートルに達し、沿岸部の低地が浸水する恐れも出ている。

グレーター・ニューオーリンズ地域の幹部は、「しばらくの間、厳しい生活が続くだろう」と述べた。

現地の捜索・救助活動の支援に、州兵約5000人が派遣されている。

米CNNによると、同州の電力復旧を支援するため、全国から2万5000人以上の作業員が動員された。

電力復旧は数週間先か

ルイジアナ州最大の電力会社「エンタジー」は、州内の100万戸以上の停電について、電力供給の復旧には数日、最も被害が大きかった地域では数週間かかるだろうと警告した。

ジョー・バイデン米大統領は同州に大規模災害を宣言。救助・復旧活動に連邦予算からの追加資金を拠出した。

バイデン氏は30日、連邦政府は「生活を取り戻すのに必要な期間、メキシコ湾沿岸の人々を支え続ける」と約束した。

バトンルージュ地域にあるアセンション郡では、住宅に木が倒れ1人が死亡した。

州や地元当局は捜索・救助活動が続く限り、死者数が増える可能性があるとしつつ、街はほぼ「持ちこたえている」と強調した。

ニューオーリンズ市のラトヤ・カントレル市長は30日、「人命救助と街の保護を委ねていたシステムが期待通りに機能し、うれしく思っている。ただ、やるべきことはまだたくさんある」と述べた。

市長はまた、すでに避難している住民に対し、電力や通信網が復旧するまで自宅に戻らないよう求めた。

カット・オフでは、強風で病院の屋根の一部が剥がれ落ちた。病院側は「大きな被害」を受けたものの患者は無事だと説明した。

Workers in New Orleans battle winds

画像提供, Getty Images

画像説明, ハリケーン「アイダ」はニューオーリンズ南西部に強風をもたらした

洪水被害は

ハリケーン「アイダ」はゆっくりと内陸部へ移動を続けている。30日にはさらに勢力を弱めて熱帯低気圧になったが、米国立ハリケーンセンター(NHC)は、ミシシッピ州、アラバマ州、フロリダ州の一部では依然として大雨で洪水が発生する可能性があると警告した。

気候変動が暴風雨の発生頻度にどれほどの影響を与えるのかはまだ明らかになっていないが、海面温度の上昇で海上の空気が暖められるとハリケーンの勢力は増す。

その結果、ハリケーンはより強烈で、より激しい豪雨を引き起こす可能性がある。

米国立気象局(NWS)はツイッターで、ニューオーリンズの住民に「屋内の窓のない狭い部屋に移動し、ハリケーンが通り過ぎるまでとどまる」よう呼びかけた。

ルイジアナ州では、2005年にハリケーン「カトリーナ」によって約1800人の犠牲者が出たことを受け、ニューオーリンズの洪水対策に数十億ドルが投じられた。

現在のところ堤防は持ちこたえているが、同市には鉄砲水警報が発出されている。

ハリケーン「カトリーナ」は「アイダ」と同様の進路をたどり、多数の死者を出したことから、バイデン大統領は「生命を脅かす」ハリケーンだと述べていた。

しかし今回は、「カトリーナ」による被害を受けて設置された洪水対策が役目を果たしたようだ。

ジョン・ベル・エドワーズ州知事は、堤防システムが「見事に機能」し、これまでのところ一度も決壊していないと述べた。

「ただ、被害状況は依然として壊滅的だ」と、エドワーズ州知事は30日に認めた。「我々はいまも救命モードに入ったままだ」。