【東京五輪】 「女性じゃないとは言わせない」 ナミビアの陸上選手、200メートル出場へ

セレスティン・カロニー、BBCスポーツ・アフリカ(東京)

Namibian athlete Beatrice Masilingi

画像提供, Henk Botha

画像説明, ナミビアのベアトリス・マシリンギ選手

2日に行われる東京オリンピック・陸上女子200メートル準決勝に、ナミビアのベアトリス・マシリンギ選手が出場する。

しかし18歳のマシリンギ選手にとって、200メートルは第一希望ではなかった。同選手は400メートルへの出場を目指して練習を重ねてきた。今年に入ってからは49秒53と世界3位の記録を出しており、メダル候補と期待されていた。

だが世界陸連は先に、マシリンギ選手のテストステロン値が基準値よりも高いとして、同種目への出場を禁止した。

BBCスポーツ・アフリカの取材でマシリンギ選手は、「最初はとても落ち込んでいたけれど、今は誰にも、私は女性じゃないとは言わせない。本当にいらいらしたし神経にさわったけれど、これについては今は何もできないので」と語った。

「本当に残念だし、とても動揺した。ダイヤモンドリーグへの出場を楽しみにしていた時にこのことを知らされた」

「全員が同じで、同じ能力を持っているなんてありえないのに、本当に不公平だと思う。みんな違う能力を持って生まれていて、同じなどありえない。意味がわからない」

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マシリンギ選手は7月に入り世界陸連から、テストステロン値が女子陸上の400メートルから1マイル(約1600メートル)の距離の種目に出場できる基準値を超えていると知らされた。こうした場合、投薬などで少なくとも6か月以上、テストステロンの値を下げなければ出場資格は得られない。

突然の失望にもかかわらず、マシリンギ選手は五輪出場を最大限に楽しもうと決心しているという。

「とてもワクワクしている。五輪は私にとって最大のゴールの一つだけど、この年でかなえられるとは思っていなかった」

Christine Mboma of Namibia on the track

画像提供, EPA

画像説明, 今年、20歳以下の女子400メートルで世界新記録を出した同じくナミビアのクリスティン・ムボマ選手も、五輪での400メートル出場を禁じられた

同じくナミビアのクリスティン・ムボマ選手も、同じ理由で400メートルに出場できなくなった。しかし五輪出場の夢をかなえるため、2人は大会の数週間前に200メートルへの出場に切り替え、準備を行ってきた。

2人のコーチを務めるヘンク・ボサ氏は、「もちろんこのことで大きく後退した。調整してベストを尽くさなければならなかったが、2人のがんばりぶりに誇りを持っている」と語った。

マシリンギ選手はオリンピックでの目標は明確にしなかったが、失望を経てレースに参加できることに興奮していると話した。

「まだチャンスがあって、200メートルがあって、また戦える。だから出場がかなわなかった種目のことで自暴自棄になるべきじゃない。400メートルの時と同じようなワクワクを感じられている」

「プレッシャーがかかるので、ソーシャルメディアをなるべく見ないようにしている。こうしたことを受け入れるには経験不足なので、今はあまり何もしないようにしている」